和井田製作所・森下新社長就任インタビュー
「今年度は売り上げ72億円目指す」
森下社長
6月21日の株主総会で、森下博専務取締役の代表取締役社長昇格と同時に、和井田光生代表取締役会長、久保代表取締役副会長人事も決定された。2カ月が経過するタイミングで森下新社長を訪問し、就任の抱負をはじめ、コロナ禍への対応と直近の業績、迫りつつあるJIMTOFへの期待などについて紙面化を試みた。
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「代表取締役3人体制となり、年齢的にも会長75歳、副会長73歳、私が61歳と、バランスが採れたように思う」と語る森下社長。
飛騨の生まれ育ちだが、大学卒業以降は愛知、岐阜など、他地域で過ごす機会が多かったと言う。十六銀行の出身で、最初は平成17年~19年、2回目の出向となったのが平成24年6月。
「2回目の着任以降も、管理部門を中心に業務を担当し、最近の2年間は、製造部門にも関わるようになっている。当社のスタッフは、真面目で、ひたむき。物事への集中力には目を見張るものがある」との社内評価を下す。
就任の抱負としては「これまでに築きあげられてきた、企業としての継続的繁栄を技術継承含め、守っていきたい」。
和井田製作所のコロナ禍への対応には定評があるが「2020年の中国・武漢でコロナが発生したときは、即時に上海から日本人スタッフを帰還させていた」そうで「Web会議についてもコロナ禍前から取り組んできたほか、顧客とのリモート検収、修理へのサポート等についても早い段階から着手、実践してきた」。
最近3か年の業績を跡付けてもらうと「2018年から『高原状態』に突入し、しばらくはキープしていたが、コロナ禍の影響で2020年春先からは『低空飛行』を余儀なくされ、2020年度の売り上げは42億円。2021年度に入った4月以降から上昇局面に転じ、64億円に回復。そして今年度、上半期33億円、通期72億円の売り上げ達成を目指していきたい」と語ってくれた。
受注は、日工会全体の傾向と同様、好調に推移しているものの「モータやインバータといった部材の調達難が今でも解消できていない。輸出面では船便の不安定さ、船賃高騰が頭痛の種でもある」。
更新需要として注目されるのは「GCG300」。半導体ウエハーを平坦にしていく研削装置で、この分野に再注力していくことも検討していると言う。
4年ぶりとなるリアルJIMTOFが迫ってきた。
「出展への取り組みはもちろん、各社のブース訪問も楽しみにしている。独・フランクフルトに現地法人を設立したこともあり、欧州からの来場者も期待したい」。見どころとしては「ジグ研とプロファイル研の進化を見て頂きたい」とのことだ。