岡本工作機械が相次ぎPSG支部連絡会開催。今期売り上げ320億円目指す
日本の研削盤ニーズの高まりを語る石井社長
- 岡本工作機械製作所の2018年度PSG支部連絡会(代理店会)が2月6日から8日にかけて、それぞれ大阪、名古屋、横浜と相次いで開催された。
- 冒頭、秋山国内営業部長が挨拶に立ち「今年の工作機械全体の受注目標は1兆6000億円と、過去3番目の高い水準に設定された。当社では現在、受注、売り上げともに前期を上回っており、今期の売り上げで320億円に挑戦中」と語り、業種別では「工作機械・機器業界からの更新需要による『大型』『リニアモータ駆動』などの浸透、金型分野では、大型化するモータコア関連需要に対応した『門形』への評価、また、半導体業界については砥石でしか加工できないセラミックに関わる需要に牽引されている」など、この間の需要の特徴をなぞった。
- 講演では①自動化への取り組み②多彩な平面研削盤のラインナップ③超精密円筒・内面への取り組み‐のほか、伊藤技術開発本部長による「5Gで世の中が変わる」の特別講演が行われた。
- ①では、ワークの前後左右の自動検知、砥石径・形状検知といったセンサー技術を駆使した自動化や多関節ロボットを駆使した自動化が紹介された。
- ②では、全自動の汎用機として2万台以上が出荷されたDXシリーズから派生した新製品「GX・SA1」シリーズをはじめ、重量物加工、研削スキルレス化を追求する「CA1・CAiQ・CA3」シリーズ、およびソフトの選定による多様な研削加工への対応、独自の静圧スライドで超精密鏡面研削を実現している「UPG」シリーズほか、独自のクロスレール補正機能を持つ門形平面研削盤「CHLi」シリーズなど、多彩で奥行きのある平面研削盤のラインナップが案内された。
- ③では難削材でもテーブルが逃げない高剛性のベッド構造を備える円筒研削盤「OGM」シリーズ、昨年のJIMTOFでリリースされた内面研削盤「IGM」シリーズの新タイプ「IGM15NC‐2SP」に言及し、段取りの簡易化、作業の複合化といった特長に触れ、さらに複合研削盤として「UGM」シリーズでは、自動化と同軸度向上のメリットなどが強調された。
- 特別講演の伊藤本部長による「5Gで世の中が変わる」は、紙面の都合上端折る内容で、恐縮だが、ポイントは以下の通り。
- 単純な高速化のみならず、自動運転など、2020年代を支えるモバイルネットワークとして注目を集める5Gだが「日本製の部品がなければ成り立たないと言われる携帯電話のみならず、家電、交通や医療分野、エネルギーと様々な分野と繋がりサポートし、その経済効果は50兆円とも試算されている。その過程で超砥粒による高速倣い研削方式が研削工程の主流になっていく」と予測。
- 「18カ月後のオリンピックでは自動運転、高解像度のテレビの活用が期待できる」とした。
- 連絡会の締めくくりで石井社長が挨拶に立ち「日工会の研削盤のシェアは7%~9%、世界基準では5%と言われ、日本のものづくりの中で、研削盤のニーズの高まりを感じる。今期は当社の中期経営計画の最終年度に当たり、売り上げ320億円、営業利益26億円達成に向け、奮闘しているところ。地域別のシェアは、日本55%、アジア25%、北米12%、欧州8%となっている。今後とも会員各位とのウィン・ウィンの関係を継続させていきたい。ご協力を」と語った。
- また、渡邊営業本部長は「研削盤が売れ始めると景気が悪化してくると言われていたが、バブル期時代の更新需要の発生やシステム化、自動化による需要がそれを凌ぐことを十分に期待できる。半導体分野も、長期視野に立てばさらに伸長していくと見られている」と、研削盤のさらなる発展を展望した。