岡本工作機械のオープンハウスに1500人来場。全自動平面研削盤システムMUJINでロボットによるワーク着脱初披露
MUJINに見入る来場者
- 岡本工作機械製作所は8月3、4日の両日、「研削革命」を掲げ、群馬・安中工場でオープンハウスを実施。2日間で1511人の来場があった。砥石、チャック、バイス、ドレス装置関連メーカー各社も参加して、トータルな研削技術をアピールする場となった。
- 今回展では「研削工程を変えるテーマ」‐「全自動研削」「高能率研削」「複合研削」「超精密研削」「超微細研削」‐に沿って製品群が紹介され、文字通り「研削盤に携わる人のための展示会」が追求された。
- 「全自動研削」分野で、絶賛されたのが、言うまでもなく全自動平面研削システム「MUJIN」。このマシンへの人の介在はチャックにワークを置き、仕上げ寸法を入力するだけ。IoT技術によりマシンが自動的に感知し、ワークに対する最も効率の良い研削方法が選ばれ、必要箇所のみ自動研削が行われる。作業時間が短縮され、作業者の拘束もなく、昨年JIMTOFで発表して以来、好評を呼んでいる。今回はロボットによるワーク着脱が初披露され、平面研削盤のライン化の未来が提案された。
- 「高能率研削」分野では、「剛性のある機械」と「切れる砥石」「切れる研削液」で切込み量アップを実現するデモが行われた。切込み量は通常5~10μだが、「切れる研削液」(=ファインバブル発生装置「GRIND・BIX」)を使用することで50μを実現、加工時間の短縮化を図った。
- これは、研削液が回転する砥石に引き寄せられ、被削物との接点に確実に誘導されるコアンダ効果を応用したもの。
- また、「複合研削」分野では、ワンチャックで外周・内面・端面研削を行う複合機を展示。段取りの簡易化と同軸の高精度化が図られている。
- 伊藤技術開発部長は 「研削革命」を永遠のテーマと位置づけ、「研削の領域を広げて身近なものにしたい。砥石装置も進化させていきたい」と展望しつつ「当社の受注の現状は、日本工作機械工業会のトレンドよりも良い。『MUJIN』などは一定の評価をいただいているが、さらなる普及に邁進したい」と意気込んだ。
- 同社にとって来年は中期経営計画の最終年度。320億円を売上げ、海外生産比率を60%にまで高める計画で、戦略としての商品構成を考案中だという。