神谷社長に聞く「日新ダイヤモンドの強み」 単結晶ダイヤモンド工具の優位性で欧州市場拡大の梃子に

株式会社日新ダイヤモンド

株式会社日新ダイヤモンド

神谷社長

  •  人の採用、設備への配慮を先行実施

 

  •  バブル崩壊、IT不況、リーマンショック、そしてコロナの脅威・・・神谷社長は開口一番、これまで遭遇してきた「不況」を挙げつつ「目の前の事態に振り回されないよう、私は、2年、3年先を念頭に置いて、この間、人を採用し、設備導入を進めてきてきた。景気回復を待って手を打つ、好況になれば準備をする姿勢とは一線を画していきたい」との決意を語る。
  •  今期(昨年12月)から日新ダイヤモンドの舵取り役として赴任。直前はオーエスジー本社で海外営業本部長、グローバルマーケティング部長、IT戦略部長を歴任した。
  •  「引き継ぎを終え、当社の強みが単結晶ダイヤモンド工具という、優れた技術の『結晶』であることに誇りを感じている。レーザーや研磨加工を駆使しつつ、インサート系で特長を出していくラインアップ。導かれる分野は半導体や医療系などのニッチ分野となるだろう」。
  •  被削材で捉えれば、樹脂、カーボン、アルミ、セラミック等がターゲットとなる。
  •  「コロナの影響で動けないことが売り上げに影響するが、顧客からの長寿命化、効率化ニーズが相当、発生しており、依頼されるテスト案件が増えてきた。この点でも特殊品を手がける強みが活かされている」と言う。
  •  着任後、社員と膝を交えた面談を数回実施。3年後の夢を語った。
  •  「海外の伸長、特に欧州市場の開拓を狙っていきたい。単結晶ダイヤモンド工具は、誰でも手がけられるものではない。長年の技術の集積、研鑽によって初めて獲得できる当社の『現場力』で欧州需要を発生させていきたい」。
  •  神谷社長は、愛知県・安城市出身。中央大学法学部卒業後「ウナギをごちそうになり」(笑)オーエスジーに入社。両毛営業所などを経て国際部から23年間アメリカで日系企業を中心に活動した。年齢は筆者と同級生となる「還暦」だ。