東陽からの提案「深刻な人手不足に対応。AIを軸に工場全体をIoTで繋いでいく」(羽賀社長)円安背景に海外攻める好機到来

株式会社東陽

株式会社東陽

羽賀社長

7月初旬に開催されたロボットテクノロジージャパンに初出展した東陽ブースを訪問。羽賀社長に狙いをヒアリングしつつ、主な出展製品を説明いただきながら、4月~6月の近況ほか、将来展望についても言及してもらった。

 羽賀社長は開口一番「AIを軸に工場全体をIoTで繋いで動かしていく。深刻な人手不足を反映した時代ニーズに沿った提案に努めていきたい」との思いを語る一方「展示会出展は、東陽の本業をご理解いただく場」との位置づけもなされた。
 羽賀社長の御案内でブースへに伺うと、ブース中央にはAGV・AMRの走行デモを目にした。
 「武蔵精密はAGV、アマノはAMRと、2タイプを披露させて頂いた。前者はヒトが歩く工程そのものを省いていくのが目的で、後者は洗浄機付きの、言わば清掃の役割を果たしていく」。
 AIによってヒトと物体を認識し、安全を保障していく。両社ともに国産ゆえのサービスに定評がある。
 その後、東陽スタッフも加わり、出展製品の説明がされたので、いくつか紹介する。
 Musashi AIによる、AIを搭載した外観検査装置「AIS」。クラウドにも接続可能な外観検査の自動化ソリューションとして提案を進めているそうだ。
 続いてマッスルの「分散型・自律・協調」制御のサーボシステム「COOL MUSCLE」。「CPUを組み込み、『頭脳』を持たせることで、集中制御と自律的な動きを促す、第3のモータ。しなやかに力強く、様々な負荷変動を吸収し、独立動作も、連携動作も行える。コンセプトは筋肉のようなモータ」とのことだ。
 案内の最後となったのは、デンソーウェーブの協働ロボットによる、バラ積みピッキング作業のデモンストレーション。「パソコンが組み入れられており、適用可能なプログラム言語で制御できる。コントローラの進捗に期待頂きたい」。
 以上が羽賀社長による展示会出展の意義と東陽スタッフの説明を通じた出展製品の説明となる。
 引き続き羽賀社長に近況と将来ビジョンを伺った。
 「国内の4月~6月は『順調なスタート』が切れた。今期の目標達成に向けて更に加速するため、引き続き様々な展示会への出展を検討し、顧客接点を増やしていく。」と意欲を見せた。
 市場動向については、「まだBEV化の方向性に不透明感はあるが、様々な情報を総合的に捉えれば、確実に伸びてくる。国内はもとより、海外にもビジネスチャンスが生まれるだろう。弊社スタッフ1500人のうち、海外で活動するメンバーは500人以上を占める。海外で20年、30年と経験を積んだ現地スタッフの層が厚いことも、他社との優位性に挙げられる。円安が有利に働きつつある現状を梃子に、日系メーカーの協力を仰ぎながら、積極的に動いていきたい」と語った。
 そのための施策については、「自動化提案を踏まえSIerとの協業やセミナー等で知見を蓄えるとともに、米・IMTS、タイ・METALEX、日本・JIMTOFといった展示会を活用して、様々な経験を通じて専門的知識を蓄積していきたい」と羽賀社長は強調した。


ブース入り口に設けられたサイネージ画像


走行デモは人目を引いた