松岡カッター製作所・松岡慶子新社長就任(2022年12月)インタビュー
「顧客に頼られる存在になるにはどうすればいいか」
昨年12月に就任した松岡新社長
松岡カッター製作所は、昨年12月1日付で松岡克彦社長が会長、松岡慶子専務が社長に就任する人事を発表した。新たな方向性を打ち出していくのか。本紙はこのほど、年末年始の挨拶を兼ねて松岡新社長に面談し、就任の抱負などを中心に忌憚のない意見を聞いてみた。
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松岡カッター製作所は、新社長の祖父が1935年に創業した。
「鋸の目立てで創業し、その後、超硬のカッターを手掛けるようになり、今年で88周年を迎えている。顧客にとって、利益になる刃物の提供を理念に掲げ、活動してきたが、私自身も顧客に頼られる存在になるにはどうすればいいか、会社の存在理由含めて、今一度、問うていきたいと思う」。
社長就任前に開催されたJIMTОF出展時には、他社の製品を積極的に見て回った。
「例えて言うなら、自社の新規事業立ち上げの、ノウハウと言うか、何かヒントになるものはないかとの問題意識。男性には理解しがたい、女性ならではの、ものづくりを進化させていきたいとの思いがある」。
機械の操作盤の位置とかは、基本的に男性目線。設備ひとつとっても、女性への配慮は感じられない。
「弊社にも女性ワーカーがいるが、ワークの段取り替えなどで、苦慮する場面が多々ある。職場環境においても『きつい、きたない、きけん』から『きれい、かっこいい、かせげる』への転換を図っていければ、女性の現場への登用の可能性も高まってくるだろう」。
松岡カッター製作所は土曜日、日曜日がお休み。
「弊社で好評なのが、1週間前に申請すれば時間有給が取れること。一日は休む必要がない、午後の3時間だけ、時間が欲しいといったニーズに応えていく。無駄がないのがヒットしている要因」。
個人的には花への興味、関心が高く「30年以上華道を学び、令和元年に小原流一級家元教授専門教授者となった」惚れこみようだ。