ミクロンリーマ(栄工舎製)の立役者となったロロマティク製「NP3」。「ミクロン台の精度がばっちり」と星野工場長。

株式会社栄工舎

株式会社栄工舎

星野新工場長

 

  •  新たな需要発生への対応で新規設備も検討へ

 

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  •  公差0~1ミクロンという栄工舎の超硬ミクロンリーマ。1万分の1ミリを視野に入れた超精密加工の「極致」とも表現できようが、代理店には、既に完納され、1ミクロンとびで在庫されている。このリーマの製造の主役を担ったのがロロマティックの「NP3」だった。
  •  新潟工場の星野工場長は「NP5での評価の上に立って、2019年11月にNP3を導入した。通常の円筒研削盤では、両センタでの製作となるので加工に時間がかかるばかりか、首下150ミリといった長いものになると、加工そのものに手間取ることになる。NP3の効用は、長尺ものに加え、細ものへの対応でも真価が発揮され、径10ミリを3ミリまで落とすことが容易にできる」と、そのメリットに言及する。
  •  ロロマティックに限定すれば、太径がNP5,小径がNP3と新潟工場では使い分けがなされている。
  •  「荒と仕上げが同時に加工でき、ミクロン台の精度が信頼できる。リーマ自体ロット数は少ないが、200本くらいのオーダーで、公差0~5ミクロンの要求精度が一番、多い。ブランク加工に特化しているため、とても重宝する」と言う。
  •  星野工場長が、独・アウグスブルグで開催されていたグラインドテック訪問時にNP3の実機に触れた。
  •  「機能を絞って、コストパフォーマンスに優れているとの説明を受けた。NP5との統一性も考慮してオーダーすることにした」と振り返る。
  •  星野工場長に現場を案内され、オペレーターの1人、丸山係長に話を聞いた。円筒研磨の仕上げ一筋だそうだ。
  •  「通常では、多寸法少ロットが多く20本から30本単位で対応している。シャンク径が変わると、段取り替えが必要だが、小ロットでも効果を発揮している。NP5、NP3の2台となったことで、効率化を追求できるようになった。シャンク径に応じてコレットや、ガイドを変える必要があるので、1台より2台の方が効率的に運用できている」とNP2台の利便性に触れた。  栄工舎のアイテムと言えば、ハイス、超硬ともにリーマが大きな柱を成す。
  •  ハイスの場合、材料切断、旋削して、溝を切って焼き入れし、刃裏の後、荒びきの円筒、刃付けをして円筒の刃仕上げ、そしてシャンクを仕上げていく。かなりの工程が必要となる。
  •  一方、超硬の場合は、材料を切断して、両センターの加工後、円筒で荒と仕上げの同時加工を経てNC機で溝を切って全加工の運びとなる。
  •  超硬化の流れが定着しているが、ハイス需要が高いのも現実だろうか。
  •  「円筒研削盤の総数は、優に60台は設備している。これほどの数を設備している現場は、そんなにないのではないか」と星野工場長は苦笑する。
  •  新潟工場は、下期に入って急速、急激に稼働率がアップしてきた。
  •  「特にNC及び円筒の工程は半端ではなく、3直体制を敷いているのが現状だ」と言う。
  •  安部川社長によると、新たな設備導入が検討されている。急激な回復にも即応できる体制の大切さを実感する。

 

NP3のオペレーター丸山係長。一度、セットすれば、あとは楽と言う

NP3のオペレーター丸山係長。一度、セットすれば、あとは楽と言う

 

ミクロンリーマ製造の「立役者」となったNP3

ミクロンリーマ製造の「立役者」となったNP3

 

新潟工場では、小径への対応でNP3が活用されている

新潟工場では、小径への対応でNP3が活用されている