東陽が3月のフェアで、身の丈に見合う提案追求
羽賀社長
- 2020年の幕が開け、東陽のフェアも近づいてくるなか、羽賀社長を訪問し、昨年来からの景況および現状、そして見通しについて、ヒアリングを行った。
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- まず、2019年を振り返ってもらうと「2018年秋ごろからの中国における自動車販売が減速し、今期4月以降その影響が如実に表れてきた。国内取引先企業は予算カットで新たな設備導入は難しいうえ、中国向け製品の生産ラインが遊休化しており、その煽りが投資を控える要因になっている。また、中国以外の北米向けやトヨタ自動車向けも投資控えが継続しており、経営環境は悪いと言わざるを得ない」と羽賀社長の表情は厳しい。
- 直接の主要取引先であるアイシングループに即すと「当社は、トランスミッションなど、パワートレイン関連での受注が多いため、全体的に下降気味」と言う。工具消費の多い現場が多いため、直接の影響は無視できない。
- 新型コロナウイルスによる影響も、日を追って不透明感を増してきている。
- 「感染症の拡大が中国でなければ、ハイブリッド車を進める中国向けに日本は増産体制を採ったはず。しかしながら、トヨタ自動車など、中国工場稼働再開を延期した。国内工場も中国から部品を仕入れており、仕入れ先変更も考えられ得る。ともかく、現段階では中国は不安要素に違いない」と観測する一方「ただ、国内については自動車販売の減退幅は小さいと見ている」が「設備投資については、自動車産業はワールドワイド。取引先企業が向き合う市場もしかり。この点では北米市場が今後の動向のカギを握ってくると考えている」。
- 羽賀社長の現状認識に立って、今、やるべきことは何か。この点について「社員一人、一人がロボット化や自動化に対する提案力をつけていくことが重要。言われるままにロボットを用立てするのではなく、希望される機能に対して適切なロボットを提案できるようにしていきたい。さらに踏み込んで、ロボットを使わず、他の技術をもって代用することを検討してもらえるような提案力も身に付けたいところだ。技術を組み合わせ、必要に応じてコーディネートする力が求められている。顧客は24時間稼働する無人のラインが欲しいわけではない。今の工場の中でより効率化を図っていきたいというのが本音だ」。
- 3月5日、6日の両日、刈谷産業振興センターで「TОYO Solution Fair 2020」が開催される。出展メーカーはおよそ80社だ。
- 「開催の目的は取引企業様の悩み解決提案だ。日々、更新される技術すべてを望んでいる訳ではない。身の丈に合った本当に役立つものを希望されているはず。業界の伝えていくことに徹したい」。
フェア