東陽・TMGセンターで内覧会実施。レーザーラインウルトラでエンドミルの加工実演実施
写真はグレゴリードクター
- 東陽は10月9、10の両日、取引先およそ80社を安城市の東陽TMGセンターに招き、エワーグ社製レーザー加工機「LESER・LINE・ULTRA」を使ったエンドミル加工を実演、披露した。
- スパイラル形状のエンドミルに対するレーザー加工は従来困難とされてきた。それを容易にしたのが、エワーグのソフト「LaserSoft v2.13」。パラメータもWalterヘリトロニックツールスタジオと類似しており、Walterのユーザーなら、なじみ深い。「LASER・LINE・ULTRA」のみの搭載となるが、「既存のソフト上に載せればエンドミルの加工ができる」点、従来のユーザーにとってはありがたい。
- エンドミルのレーザー加工用新ソフトはJIMTOFでも発表されるが「落ち着いてしっかり見ていただきたい」考えから、事前の説明会と実演加工を実施した次第だ。
- 同ソフトは今後、世界で更なる新展開が期待できるであろう半導体、医療用工具、精密部品分野にも貢献できると見ている。言語表記は英語のほか、ドイツ語、日本語、中国語も。日本人にとっても、使い勝手がよさそうだ。
- 来年終盤にはレーザー加工ではさらに難易度の高い、ボールノーズエンドミルの開発に着手する計画だそうだ。
- ワルターエワーグジャパンの担当者によると「工具加工のためのレーザー技術は、まだまだ新しい技術。『LASER・LINE・ULTRA』はピコ秒でレーザーを発信(超短波パルスレーザ技術)しており、一発が強力。表面に熱が残り表面が変質して工具に変位を及ぼすナノ秒とは違って、ピコ秒は熱を残す前に気化してしまうから表面の仕上がりが断然美しい。適用できる材料そのものも、ナノ秒であればダイヤモンド系、『LASER・LINE・ULTRA』なら超硬も加工でき、したがって、広い範囲の工具に対応できる。レーザー技術で難しいのはソフトウェア。当社は、エンドミルなどスパイラル形状の工具加工にも対応できるソフトを準備しており、そこがユニークかつ強み」と胸を張る。
- デモ加工ルームには、上部がダイヤモンド焼結体(PCD)、下部が超硬から成るエンドミルが展示されていた。表面には光沢が走り、覗き込む人の顔を映し出している。
- これを作ったのが「LESER・LINE・ULTRA」である。ナノ秒では熱変位の影響で、下部の超硬の加工ができず、したがって上部、下部にわたって対応できるのが、ピコ秒の超短波で削るこのマシンということになる。
LASER・LINE・ULTRA
素材の異なるエンドミルをレーザー加工で