3Dプリンタ活用した合金素材づくり「業界初の取り組み」(セラティジット・ジャパン)を提案。ジャパンも9月から価格改訂

株式会社 CERATIZIT Japan

株式会社 CERATIZIT Japan

取材に対応頂いた山口営業部長

半期を終えたタイミングで、馬場社長、山口営業部長を訪問し、この間の業績推移やニュースを伴う話題性、メカトロテックでの提案等に触れてもらった。


 馬場社長は「6月までは計画の予算通りに推移してきたものの、半期を終える7月、8月辺りから月次で数%ずつダウンを余儀なくされている。先が見えない顧客からの『様子見』の影響は大きいのだろうが、既存の顧客の中には新規アイテムの需要があり、将来に向けた案件がなくなった訳ではない」との見通しが示された。
 通常は、後半に向けて業績回復の手応えを掴んでいるが「今期は、不透明で、全く読めない」とも。
 山口部長からはユーザーと直接、関わる複数のニュースがアナウンスされた。
 「ひとつは、マシニングセンタに旋削機能を付加するU軸システムの製造・販売が、今年末までに中止することになった。メカトロテックの場でもご説明させて頂くが、今後のメンテナンス対応を中心に、可能な限りの要望に応えていきたいと思う」
 「ふたつめは、9月1日からの価格改訂の実施。背景にあるのはAPT価格の天井知らずの高値継続であり、弊社欧州製品で90%を占めるリサイクル材も連動して上昇を辿っていることが指摘できる。中国による超硬合金の原材料供給規制の影響は、限りなく大きい」。
 U軸システムの製造・販売の中止と価格改訂の2点は、ユーザーにとっても、直接、影響を与える、大きい事案となるだろう。
 一方、新たなサービスの提案という点で、3Dプリンタを駆使した超硬合金素材の提案に着目したい。
 「合金素材づくりで3Dプリンタを活用するのは弊社が世界初。機械加工ではできない複雑形状ができるメリットがあるが、その一例をメカトロテックのブースで展示する計画だ。是非、手に取ってご確認いただきたいと思う」。
 このほか、電動工具メーカーに向けたアピールも要チェックだろうか。
 「電動工具のひとつであるスクレーパーの刃の部分に超硬合金素材をレーザ溶接したサンプルを出展する。表面の汚れ、古い塗料、シール、焦げ付きなどを剝がしたり、削ったりする、機能面での優位性をアピールしたい」考えだ。
 最後に販売アイテム別の動向を馬場社長に聞いてみた。
 「ドリル、エンドミルなどの超硬丸棒素材は復調し、木工・石材関係は『低空飛行』のまま推移している。耐摩関連は、基本トーンは芳しくないが、製本や紙の断裁需要は高く、毎年2桁の伸びを示している」。


3Dプリンタ活用した合金素材(右)と刃先に合金素材をレーザ溶接したスクレーパー