万能材種、CTS-20D 更なる認知度アップ狙うセラティジットジャパン
馬場社長
セラティジットジャパンは、超硬素材と工具、両分野からの提案が注目される。
素材販売を担う御馬舎氏は「オーストリアの丸棒新工場が完成し、供給体制が強化され、従来以上に、様々なアプリケーション向けに豊富なラインナップ体制を敷いている」と欧州拠点工場の生産体制強化に言及しつつ「メカトロテックでの見どころのひとつは、弊社が万能材種と呼んでいて、日本国内でもファンの多いCTS-20D。サブミクロングレードとしてドリル、エンドミル、リーマばかりかパンチなど広範囲のアプリケーションをカバー。万能の形容に相応しい材種だ」と訴える。
このほか、小径工具(ドリル)向けの硬度と靭性の高さを併せ持つ「TSF-44」、航空機需要にも対応するチタン合金加工向け「CTS-24Z」、さらに木工加工の分野では「KLC20+」が紹介された。
「CO2削減への提案として、プロダクトカーボンフットプリントを6分の1まで下げた『CT-GS20Y』も提案する。業界初のグリーンカーバイドとして、日本でも昨年のJIMTOF以降、アピールに努めてきた。さらなる市場浸透を目指していく考えだ」。
軸モノ用素材は以上で、耐摩耗素材ではホブ専用材種「CTF20D」(ソフトホビング)「CTF12D」(ハードホビング)が提案される。
「金型業界向けに耐腐食性が非常に高いCFシリーズがある。特に『CF-H40S+』はモータコアやリードフレームの打ち抜きのアプリケーションとして、ご理解いただいているユーザー様も多いかと思う」。
一方、工具部門は「KOMET」ブランド製品のアピールに努めていくことになる。
江川営業部長は「効率的な穴加工を実現していく商品群を提示、提案していく場となる」とアピールする。
まず、挙げられたのは、ヘッド交換式ドリル「KUBセントロン」。φ20~φ81まで取り揃え、8Dまでの深穴加工に対応する。
「1枚刃で、送りはあまり上げられないが、仕上げ面精度が非常に高い」。
KOMETのリーマと言えば「REMAX」と名指しできるくらい認知度が高いだろう。
「ヘッド交換式リーマ。取り付けは六角レンチで止めるだけの簡単な操作。ショートテーパと端面の2面拘束でH7の精度が一発で狙える」。
このほか、マシニングセンタで旋削加工が可能になるU軸システム「KOMtronic」も展示。
「旋盤が不要となるほか、ワークの段取り替えがなしになることから生産コスト削減にも寄与していく。これまでに国内で40台の納入実績がある」。
以上が素材と工具両部門からの情報発信となる。
セラティジットジャパンは8月で半期を終えた。
馬場社長は「上半期は計画の99・9%の達成率。昨年11月に組んだ予算に、これほど肉薄するとは予想外」と半ば笑いながらも「コロナ禍明けのEMOショーに顔を出すが、下半期は、厳しい予測を交えながらの活動を余儀なくされると思う」と総括する。