Cominixの2023年3月決算 主力の切削工具事業の利益面は前期比2倍に。売上高は288億円
柳川社長
Cominixの2023年3月期連結の業績は、売上高が前期比7・1%増の288億5300万円、営業利益で同42・9%増の9億4800万円、経常利益は同35%増の10億5400万円、純利益は同16・4%減の7億4200面円となった。純利益が前期比マイナスとなったのは、前期に旧本社ビルの土地・建物の売却益を特別利益に計上(6億6500万円)していたことが大きい。
主力の切削工具事業は、前期比微減の164億9900万円。主要販売先の自動車業界の生産調整の影響で売り上げが伸び悩んだものの、オリジナル製品の販売拡大、仕入れコスト増の製品価格への転嫁により、利益面では前期比2倍となる減収増益を達成した。新たな動きでは、工作機械メーカーとの協業体制の構築に尽力し「機械販売部」が社内でスタートしている。
2番目にボリュームの大きい海外事業の売上高は、同30・8%増の73億4500万円。円安を追い風にグローバル展開を加速させ、中国、米国で受注が拡大し、増収増益の結果に。
円安がフォローの風であるが「2021年12月に子会社化した、広州賀茂川国際貿易有限公司が売り上げ、利益ともに貢献した」(柳川社長)点にも注目したい。
このほかのセグメント別売上高では、耐摩工具事業が微増の25億7100万円、光製品事業は40・3%増の17億2800万円、eコマース事業で2500万円となった。
将来の柱に掲げるeコマース事業は「増収とはなったが、他社ECサイトとの差別化に注力している、基盤づくりの途上であり、減益の結果。とは言え、これは想定内だ」と柳川社長がコメントした。
2024年3月期連結業績予想では、売上高315億円、営業利益11億5000万円、経常利益11億1000万円、純利益では7億6200万円を見込んでいる。