Cominix決算(連結)発表。メインの切削工具事業は前期比0・5%減の164億1900万円。

株式会社Cominix

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決算説明に臨む柳川会長(右)と柳川社長

Cominixの2024年3月期決算(連結)は、売上高が前期比0・7%減の286億4400万円、営業利益は同20・6%減の7億5200万円となった。
 「営業利益の減少は、中国経済の低迷が最も響いた」(柳川会長)ほか、人件費のベースアップや将来を見越した投資活動の実施による販管費の増加などが要因となった。
 セグメント別の概要では、切削工具事業は、売上高で同0・5%減の164億1900万円に留まったが、営業利益は55・4%減の1億4100万円と大幅な減益。耐摩工具では、売り上げが同4・0%増の26億7300万円、営業利益では同103・8%の2億1900万円と躍進した。
 耐摩事業では、主要販売先である製缶向けへの販売が好調に推移し、特にバッテリー関連の受注獲得や新規の外注加工先との取り組みを積極的に展開したことが奏功したと言う。
 Eコマース事業では、澤口常務が説明に当たり「零細企業においても80%がインターネットを利用した購買を行っており、2年後には黒字化を目指したい。そのためにも切削工具のプロサイトとして、取扱商品の充実、SNS等を利用した各種プロモーションを積極的に展開していきたい」と語った。
 業態に着目すると、卸事業の売上高は、景気回復の遅れで同3・9%減となり「全体的に芳しくない」(柳川会長)のに対し、直需事業は大手ユーザーからの順調な受注、新設の機械販売部の案件獲得等により、売上高(同2・9%増)、営業利益(同26・6%)と回復傾向を辿った。
 海外事業では、中国での売上高が約37億円から約27億円の大幅減となったが、日系自動車メーカーの生産回復基調に支えられた、アメリカ、メキシコ、タイなどは業績を伸ばした。
 「アメリカは、子会社の川野辺製作所が大手ユーザーとの取引が増加傾向を辿り、売り上げ、利益ともに堅調に推移した」(柳川会長)と説明する一方「インドは現状で(売り上げは)3億円程度だが、将来的には、海外売り上げの50%を目指していきたい」(柳川社長)とコメントする。
 今期について柳川社長は「中国の回復は難しいと考えるが、メインの切削工具事業は、他社からの切り替えを促し、シェアを拡大させていきたい」との抱負を語り「機械販売については、受注件数が伸びており、今後も案件獲得に努めていきたい」とコメントした。
 2025年3月期の業績予想(連結)は、売上高300億円(4・7%増)、営業利益8億5千万円(12・9%増)を見込んでいる。