創業75周年記念柳川Cominix社長インタビュー。感慨深い在庫センター設置など。
インタビューに応じる柳川社長
- 2020年11月、Cominixは創業75周年を迎えた。切削工具中心の卸、直需商社として、国内はもとより、海外でも10か国・32拠点で展開を見せ、最近ではM&Aにも積極姿勢で臨むなど、活動領域を日々、増幅させてきている。5月、そして12月と、二度にわたって、節目を迎えた記念式典の開催を検討してみたものの、コロナ禍の影響で断念。本紙では、柳川社長の時系列に拘らない、思い入れ深い「在庫センター」「外国製品との取引開始」「海外進出」といったトピックスを順次、紡ぎながら、記念すべき節目を紙面化することにした。
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- 卸という点では、在庫能力が顧客からの評価を左右する。
- 「今でも東大阪に在庫センターを新設したときのことを感慨深く思い出す。2006年だったと思うが、本社の在庫を移設し、取引メーカー20数社の在庫を目の当たりにした。まさに壮観だった」と振り返る。
- 旧社名である大阪工機と言えば、住友電工一色というイメージが強かった。
- 「1993年、アメリカのSGSとの取引をスタートさせた。それまでは住友電工だけだった。外径と公差に拘ったことが懐かしく思い出されてくる。その後、ハニタ、マガフォー、イスカル、ケナメタル、セコ、テグテックと順次、海外製品の広がりを見せていった」。
- 積極的な海外展開と言う点でも、Cominixは業界的に一歩先んじ、異彩を放っているだろう。
- 「2002年のタイ進出、その後、中国へ。今では10か国・32エリアに海外は広がっているが、自動車ビジネスの世界で、どれだけシェアを獲れるかと言う関心であり、旬で、ホットな市場としては、メキシコが名指しできようか。自動車はまさにビッグビジネスであり、IT業界と並んで、今後も、ものづくりを牽引していくものと考えている」。
- 最近の話題として、見落とせないのがM&Aだろうか。ざっと挙げるだけでも、大西機工、東新商会、澤永商店、川野辺製作所・・・
- 「M&Aを通じて、グループとしての売り上げ拡大を図っていくと同時に、完成車メーカーとの取引拡大を視野に入れており、これまでも10社中5社との取引をM&Aで達成している。大手自動車メーカーで扱う工具の7割は別注品であり、この点では特に、長年、ホンダとの付き合いで蓄積してきた川野辺製作所の技術力に対する期待は大きい」。
- 2年前にはYG1の代理店にもなった。
- 「YG1の総売り上げは約600億円。エンドミル主体にドリルのテストも、積極的に提案し、せめて、30億円レベルにまで、早期に販売できるようにしていきたい」。
- 昨年の4月以降、リモートやズームの活用などが定着してきたが「基本的には訪問すべき。1社、1社訪問して人間関係を形成していくことが原点。75周年を迎えて、改めて、思うことは、切削工具のシェアを上げていくに尽きる」と柳川社長は結んだ。