航空機産業ばかりか、半導体、自動車向けにもオリジナル工具急増。工具メーカーの立場鮮明に。
木場社長
工具の再研磨をベースに、5年前に独・ワルター機を導入して以来、オリジナル工具、特殊工具といった製造モノの割合が徐々に増え始めたDAIKO TOOL。
木場信行社長は「特にこの2年間で、その比率が逆転し、再研磨が4に対し、製造モノが6になった。客先からも、工具メーカーとしての位置づけを求められるに及んで、昨年、社名を大光研磨から現社名に変更した」と工具メーカーと言う意識が鮮明になっている。
木場社長は、平成26年3月に常務から社長に就任しているが、この間、実態を反映した社名への変更を意識していた、と言ってもいいだろうか。
エンドミルを主体とする製造モノは、航空機関連で飛躍的に伸びている。2交代制でフル生産の状況にあるが、自動車、半導体の分野からも、着実に実績を積み上げてきている。
「製造モノは、再研磨、再生ありきで戻ってくる。客先の加工現場からの改善ニーズや新規案件が提示される中で、何パターンかの刃型にトライ、提案していくスタイルで認められ、採用に繋がってきた」。 昨年から今年にかけて受注が増えてきており「踊り場は迎えていない」(木場社長)。テスト加工は、DMG森精機のマシニングセンタで行われている。
「工具という単体ではなく、切削加工という枠で捉えたツールをどれだけ提供できるか。被削材+治具+機械+目標時間(加工条件、加工パス、DAIKO TOOL)というスタンスで取り組んでいきたい」。
切削マルチプロフェッショナルと言う形容もなされた。人材の育成も多能工化的発想で実践されており、客先の「マイツール」提供に向けた体制作りと言えようか。
今後の方針の中で、航空機分野向けの工具が急増している現状に対し「宇宙航空品質マネージメント JISQ9100の来期の取得に向けて動き始めた。管理規格・基準を理解し、お客様と同じ視点でものづくり、工具づくりを展開する」との思いを語る。
主なCNC工具研削盤を見ると、ワルター機9台、アンカ3台、牧野精機5台、そして測定機のワルター製ヘリチェック3台という設備内容だ。
来年の1月にはロロマティック製NP5を導入する予定だ。
「今後、さらにスピードを上げていき、DKT FINAL TOOLに挑戦していく考えだ」と木場社長が結んだ。
DAIKO TOOL の生産現場。設備が大幅に増強された
検査体制も充実