「新商品で切り拓く、ギガキャストと燃料電池の革新ソリューション」MOLDINOが新商品記者発表会
金型は大型化し、深彫り需要を創出

株式会社MOLDINO

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MOLDINO 金子社長

MOLDINOは、「新商品で切り拓く、ギガキャストと燃料電池の革新ソリューション」をコンセプトに、成田工場ソリューションセンターで新商品記者発表会を開催。金子社長はじめ、成田工場の當麻開発技術部長、野洲工場の古野開発技術部長、寺井ソリューション営業部副部長が登壇し、説明に当たった。

 冒頭、金子社長が挨拶に立ち「金型産業における人手不足や技術競争、さらには収益面での課題に直面するなか、自動化、デジタル化の流れが加速し、独創的で革新的なアイディアや技能が求められるようになっている」と指摘しつつ「注目される金型の大型化は、深彫り加工の需要を創出し、同時に金型材の進化を促して、加工の難易度を上げている。また、(金型づくりにおける)高精度で微細化の追求は、今後も進展するものと予測され、注力していきたいと思う」と語った。
 最初に取り上げられたのが「自動車の変化」。
 寺井副部長は「軽量化を追求して、部品点数を減らし、生産性向上を目指す。たとえば100トン級と言われるギガキャスト。70点が1点となり、製造期間の短縮をもたらす」環境変化の中で「加工の上では大型化され、補強リブが必要とされ、深彫りが求められる。金型材も高機能材が採用され、削りにくくなる」との加工上の特徴を指摘。
 L/Dで15を超えると、加工の難しさが格段に上がり、リブ加工は直彫りが求められると、付け加える。
 ギガキャスト向けの新商品として提案されたのが「TR2F」だ。
 當麻部長は「従来は、届かなかった領域に踏み込み『薄く、たくさん』削ることができる工具。独自のインサート形状を備え、高機能材でも100m/minを超える高速加工を達成し、寿命の点でも従来品比2倍以上、切削抵抗で34%低減している」と説明する。
 モジュラーミル専用のシャンクもラインナップされ、レギュラータイプに加え、ストレート・テーパのフリーネックタイプ25アイテムが追加され、干渉を気にせず、突き出し量を調整できる。
 「テーパを1度付けるだけで、加工領域が広がってくる」(當麻部長)世界があると言う。
 古野部長からは、放電加工から直彫りに切り替え、金型の短納期要請に応えるコーナRソリッドエンドミル「エポックターボシリーズ」のフリーネックタイプが紹介された。
 「突き出し量を調整するだけで多様な深さにすぐに使えて工程集約に寄与。放電加工が不要となる」ばかりか「従来工具では届かなかった、大物ダイキャスト金型、鍛造金型、プラスチック金型全般の深部加工に対応。あと少し、との要望にも応える首テーパと外径サイズを取り揃えている。L/Dでは、30~40までフォロー可能だ」。
 また、今春発売予定の突き仕上げ加工用コーナRエンドミル「エポックバーチカルフィニッシュエンドミル」によって「荒加工時の段差除去、加工スジの縦方向、深い領域でも安定」して、良好な仕上げ面に到達できる。
 さらに高硬度鋼加工用で、cBN工具を上回る寿命を達成した工具として「IXエポックディープボール‐TH3」が紹介されたほか、燃料電池への対応として、今後はセパレータ金型にフォーカス。 「1枚のプレートに溝幅の狭い加工が求められる」市場特性を考慮して開発を進めていく計画だ。


ギガキャストのコンセプトモデルを提示しながら、そのアプローチ法について説明する寺井副部長


突き出しの長いデモ加工を実演