50人体制確立で新たな現場指導、安全衛生の考え方追求する静岡の石川工具研磨製作所。拡大基調継続

(株)石川工具研磨製作所

(株)石川工具研磨製作所

石川直明社長

 

  •  今期がスタートして8カ月余、石川工具研磨製作所が今も、拡大基調を継続している。
  •  石川直明社長は「生産余力を追求して、積極的な設備投資を行ってきた、そのメリットが、納期や既存ユーザーからのボリューム対応、さらに社内での丁寧な作り込みに表れてきた」「設備増強と表裏を成すが、中間管理職が成長し、その教育強化を通じて、さらに効率アップを目指して設備投資を図り、差別化の徹底へと向かっている」。

 

  •  ヒトの成長と設備の充実がうまく噛み合い、再研磨、製造ともに伸長している。体制の上でも2年続いて営業スタッフ等の強化が図られ「50人体制」が8月から確立、現場の指導方法、安全衛生の考え方の新たな方向性の模索を促しているようだ。
  •  「そのひとつとして、EMOショーの視察、その後、欧州の機械メーカーを訪問し、機械づくりと工具づくりの違い、日本と欧州の人の管理の仕方・モノの手配のあり方などを視察したいと考えている」。
  •  ベトナム人実習生も3人、3人、3人と毎年、迎え入れ、ここ数年は9人体制のローテーションで、日本的発想だけではない、管理の仕方にも習熟してきている。ステップアップを見据えると、ワールドワイドな視点がさらに重要になる所以だ。
  •  「だが、ものづくりは、やはり技術が要を成す。工具づくりの基本である素材、形状(刃型)、コーティングの『トライアングル』の中で、技術的研鑽を積み、価格競争だけに巻き込まれない『解』を見出していきたい。成長していく会社の原動力だと信じて疑わない」。
  •  石川社長が社長に就任して3年目になるが、売り上げ数字の軌跡を跡付けても、毎年目標としている数値を確実にクリアし、今期は前年の10%アップが達成できそうだ。技術力の前進そのものが「成長」を促している、石川社長の「思い」が「確信」に変わっているはずだ。
  •  「特に量的拡大への対応には、今後も引き続き配慮していく方針で、年末には2台目となる牧野製AGE30を導入。再研磨、製造双方の活用を通じ、他の既存設備でも余力が生まれてくる。工具研削盤では、AWC、ローダー付きは、必須の選択であり、自動化、無人化を視野に入れた量的対応のみならず、短納期対応で差別化、受注増へと促す『武器』として活用していきたい」。

 

  •  量をこなしていくには、設備を導入し、いかに「現場力」と繋ぎ合わせて、結果を出していくかという新たな「技術力」が問われてくる。
  •  総じて言えば、自由度が高い工具づくりを展望していくことになるだろうか。