評価高まる牧野フライス精機の高精密CNC極小径工具研削盤「DB1」。
「バラツキなく、形状寸法なども安定、面粗度の高さも好評」(清水社長)

牧野フライス精機株式会社

牧野フライス精機株式会社

石川工具研磨製作所から寄贈されたエンドミル研削盤に寄り添う清水社長

テスト加工依頼への対応で忙しくさせて頂いている、と語る牧野フライス精機の清水社長。もちろん、テストの対象は、SS7の後継機で2023年度のビッグニュースでもあった新製品の高精密CNC極小径工具研削盤「DB1」だ。
 「バラツキがなく、形状寸法など精度も安定しているばかりか、X、Yの各軸に弊社初のリニアモータを採用したメリットでもある、面粗度の高さでも関心を持って頂いている」と言う。
 適用範囲は径0・03ミリ~4ミリ、工具長では最大100ミリ、砥石軸50番、5・5kWの出力。長尺モノの加工の場合は、シャンクサポートに加えて、刃部サポートも用意されている。
 テスト加工依頼が増えてきているが「リアルばかりか、最近では、DB1のYouTube動画に対する再生数の伸びが著しく伸びている」ことにも勇気づけられていると言う。動画と言う点では、このほか、内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2による極小オイルホールの位相検出に注目が集まってきているのにも目を向けたい。
 チャンネル登録者数は、この4月で2000人に達したそうだ。
 「注目される工具需要は、オイルホール付きで、細くて、長い。そのニーズは、今後も着実に伸びてくると思う」とDB1やSG10への引き合い、受注への期待を膨らませている。
 話は変わるが、牧野フライス精機は海外への納入比率が近年増加傾向にある。
 「中国に関しては販売・サポート拠点として、昆山に現地法人を設立して3年目に入った。工具研削盤に対する要求精度は日ごとに高まってきている」との需要を見込み「5月にはプライベートショーを開催する。機械性能を実機で確認して頂くためにも、ポテンシャルユーザーの方には、是非とも来場いただきたいと思う」と清水社長は訴える。
 販売とサポートは、メーカーにとっての両輪であるが、ユーザーに対するサービス強化の訴求は、点から線、面への展開には避けて通れない。プライベートショーでも議論になるだろう。
 最後になるが、5月に大阪で開催されるWCTC(世界切削工具会議)には、プラチナスポンサー会社の1社として、牧野フライス精機も参加する。
 「世界から集まる各工具メーカーの代表を前に、研削盤メーカーとして、アピールする場を与えて頂いている。欧米にはまだあまり知られていない工具研削盤の独自機能について触れていく予定にしている」。
 清水社長から「国内は後半に期待したい」との発言があったが「意味深!」とも受け取れた。