総括「2024年」清水牧野フライス精機社長。好反応だった工具研削用ソフト「Tool Creator®」。新型操作盤は操作性、視認性に配慮

牧野フライス精機株式会社

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DB1の広告を手にする営業サポート課の好﨑さん。日刊工業新聞の産業広告に入賞した

牧野フライス精機の清水大介社長を訪ね、2024年を振り返ってもらい、率直な感想を聞いてみた。

 「トータルで見れば、忙しくさせて頂いた」と言う。ひとつは新製品の投入だろう。
 高精密CNC極小径工具研削盤「DB1」がリリースされ、1年が経過した。
 「弊社で初めてリニアモータ駆動を採用し、昨年のメカトロテックで披露させて頂いた。この間、好調な立ち上がりを見せており、JIMTOFでは初出展となったものの、来場者の反応は上々だった」との感想を交えながら「日本のものづくりの大きな方向性が精密・微細へと向かっており、しかも広がりを伴ってくるなかで、極小径工具の需要の高まりは期待できるかと思う」との考えを語った。
 今後の微細分野の市場の広がりを考慮すれば、DB1は、「ニーズの前のシーズ」を刺激していくという側面もあるだろう。
 市場への訴求という点で、この間「好調な立ち上がり」を補完し、話題をさらったのがDB1のアピール広告で、日刊工業新聞社による「2024年日本産業広告賞・雑誌部門」に入賞(佳作)したことも付記しておきたい。
 ところで、JIMTOFに関連した、ニュース性という視点で捉えれば、第3世代となった工具研削用ソフトウェア「Tool Creator®」は、改めて記憶していきたい。
 「08年にリリースしたMSPS-Ⅱ以来、16年ぶりのリプレース。対話方式による操作をはじめ、図面読み込み機能等を備えることによる複雑形状への対応や3Dシミュレーション時間の短縮、さらに機械状態の監視機能によって、補正値の管理や予防保全の活用も期待できるかと思う」との特長に触れつつ「新型の操作盤は、操作性の良さ、視認性の高さに配慮し、JIMTOFでは、キーボードが置ける『台』があるのも利便性の点で評価された」。
 MSPS-Ⅱに慣れ親しんでいる方にとっては「違和感がない」との指摘も挙がった。
 受注活動は既に展開されており、来年4月以降の出荷機から搭載される見込みだ。
 12月も間もなく過ぎ去っていく。2025年の展望についてはどうだろうか。
 「JIMTOFでも感じたが、方向性が見えづらい。その反映でもあるだろうが、(機械選定の)検討期間が長く、先行きの不透明感に繋がってくる」。
 海外についても、景況の点では、「今ひとつ」との判断が下せるだろう。
 「3月に幕張メッセで開催されるグラインディングテクノロジー展に、今回も出展する。同じ場所に同じ12コマを確保した」と今期を締め括る展示会にも注目していきたい。


Tool Creator ®には多くの来場者が注目した