メカトロテックでは、ToolCreater搭載の「AGE30FX」「DB1」を出展する牧野フライス精機

牧野フライス精機株式会社

牧野フライス精機株式会社

ニーズへの対応で忙しくさせて頂いていると語る清水社長

メカトロテック開催を前に牧野フライス精機の清水社長を訪問。最近の需要動向を後付けてもらいながら、出展製品および提案内容についてヒアリングを試みた。


 景況感の落ちつきとは別に、工具研削技術に期待されるニーズが多様化している。
 「極小径の分野で、SS7の後継機としてリリースさせて頂いている、新製品DB1への移行が順調に進んでいる。特に好感されているのが刃部サポートを使用した極小径ロングドリルの製造実績。ほかにマニュアル式のカメラを搭載して砥石を機上で確認できる『イージーチェッカー』にも評価が高まってきた」。
 対象工具径φ0・03ミリ~という、極小径工具を高精度に、無人で連続加工を可能にするDB1は、砥石交換装置と自動ワーク交換装置を内蔵したAGE30FX、φ1ミリ~φ10ミリまで幅広く対応するSG10と並ぶ「3大製品」へと成長を遂げていると言っても、過言ではないだろう。
 また、ソフトウエアの点では、昨年リリースされた、Tool Creatorに関して、徐々に出荷台数が増えてきており、顧客への浸透も順調に進んでいるようだ。
 「この間の引き合いの特徴では、自動化に関わるニーズが継続しており、省段取りの追求の点でも、相談されるケースが増えてきた」。
 地道ではあるが、2017年のリリース以来、マイナーチェンジを繰り返し、ブラッシュアップさせてきた段研削機「TAD」も、テスト加工を経て、受注実績が伴ってきている。
 メカトロテックでは、工具研削盤はAGE30FXとDB1の2機種を出展(いずれも新ソフトウエアのTool Creatorを搭載)。ほかに注目度が高い、画像認識技術を駆使する、内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2による機内自動測定、自動補正技術のアピールや、好反応で迎えられている、工具に特化した測定機「pomMZmicro」も披露される計画だ。
 「人手不足への対応としても期待が大きい、ホーニング加工では、今回、monocam2を使用した再研削にフォーカスする。チッピングを防ぎ、工具寿命を伸ばす重要な加工であり、弊社独自の、撮影した画像から刃先座標を検出して加工する方法に、改めて、関心を寄せて頂ければと思う」。
 加工サンプルでは、DB1を活用した小径工具のサンプルをはじめ、Tool Creatorを駆使した複雑形状の工具といったバリエーション豊かなサンプル展示も要チェックだろう。


60周年記念に製作された年表パネル