今期は各製品のブラッシュアップに務める碌々産業。落ち着きを見せ始めた市況環境踏まえ。

碌々産業株式会社

碌々産業株式会社

インターモールド東京で出展したVision前でカメラに収まる海藤社長

インターモールド東京会場に碌々産業の海藤社長を訪ねた。
 「2月まで好調に推移していた受注も、3月に入ると落ち着いてきた。21年度、22年度は、受注が売り上げを上回ってきた2年間だったが、今期はリセッションの年と予測。弊社の技術レベル向上に努め、各製品のブラッシュアップを図っていく計画」と言う。
 だが、海外の顧客は、半導体分野で新たな設備投資を予定しているようで「すでに具体的な案件が舞い込んできている」のも事実だ。
 気になる動きを聞いてみると「金融についての不安もあるが、目の前のことで考慮したいのが、経産省の経済安全保障関連。特に中国向けの輸出に、今後、影響が出てくるだろうと思う」。
 碌々産業の8割を占める微細加工機の需要層は、半導体分野を筆頭に、医療、光学系、時計、微細金型と、多様な産業で実績を積んできている。
 「特に最近の伸びで興味深いのが光学系。基本的に海外だが、防犯カメラの画素数アップに関連し、より精度の高いレンズ加工への需要が高まっている」。
 2023年度は、受注ベースでは前年度比若干減を設定したが、売り上げベースでは横ばいを目標に設定した。
 「注残に丁寧に対応していくことも大切なこと。売り上げ数字を着実にしていきたい」。