工具研削盤「EPSILОN」販売絶好調、小型バージョン「イプシロンQ」(仮称)の参考出展も‐菱高精機
イプシロンQ(仮称)
- JIMTОFを前に、菱高精機の山下部長を訪問した。
- 「切削工具の値上げムードが取り巻く環境のなかにあっても、(市況の)動きは悪くない。逆に、更なる活況を呼び込む起点となり得るのではないか」との考えを述べる。
- リーマンショックから10年が経過し、景気浮揚策として登場した「ものづくり補助金」制度は、現場の需要を刺激し「援護射撃」しながら設備投資を促進、今でも継続している。
- 「国内では、高い設備需要の牽引役となっているのは間違いない。我々としても、工作機械の好調さを歓迎している」。
- JIMTОF出展機で、アピールの要でもある工具研削盤「EPSILОN」は、昨年後半から「潮目」が変わってきたと言う。
- 「年間で15台以上が売れるまでになっている。名古屋のショールームの利用者も多い。この7月には、10台、でき上がり、入荷してきたが、注残の影響で、すでになくなっている。製造にあたっては『前倒し』で手配している状況にある」そうだ。
- ユーザー評価としては「簡単に扱える魅力」が大きいようで、エリアとしては、中部はもちろん、関東・東北地方でも反応がいい。
- 興味を引く、話題と言えば、ブースで、EPSILОNの小型バージョン「イプシロンQ」(仮称)の試作機が参考出展されることが挙げられようか。来場者の意見も取り入れて改良を重ね、量産化の目途をつけていく計画だ。
- 「価格の検討含め、来夏にはリリースしていければと考えている」。
- 一方、EPSILОNとのセット販売を試みている測定機のJUST‐SCOPE。研削盤の納期が長くなる中、単体での販売にも注力していく構えで
- 「機械の横で、形状の測定もすぐに行える」メリットを追求していくことになる。切削工具の分野からは、BTA(深穴)工具の「侍(SAMURAI)」等、何点か紹介したい。
- まず、「侍」は、切り屑処理に優れた三次元ブレーカー形状「SRブレーカー」を採用し、工夫されたインサート形状により、高送りが可能で、Φ16ミリ~Φ29ミリ。径調整機能により、Φ19・01ミリから最大Φ0・3ミリまで拡大することもできる。
- フラットドリルの「HUNGER MILL」(ハンガーミル)は、曲面のバーチカル・ドリル加工が可能な刃先交換式。特殊インサート仕様による切削排出性能の向上や特殊溝形状のホルダによる切り屑のリフトアップ効果に磨きをかけ、黒皮材料の加工にも対応可能だ。
- サーメットリーマの「Monomax RM‐DST」は、特殊刃形により切削時の切り屑、巻き付きによるトラブルを改善し、サーメットによる高速、高送りといった、高性能加工を実現させていく。