工具と工具再研磨機の2方向のアピールを継続する菱高精機
工具は穴周りの加工中心にアピール。裏座ぐり工具「バックファイヤー」に新シリーズ展開
EPSILONは大手ユーザーからの内製化需要発生

菱高精機株式会社

菱高精機株式会社

取材に応じてくれた町田専務

菱高精機のJIMTOFでは、工具と研磨機の2方向からの提案が関心を引く。町田専務を訪問し、4年ぶりのリアル開催となったJIMTOFの見どころを聞いてみた。

 工具の出展は「穴加工」を中心にアピールしていく計画だ。
 「面取り、バリ取りといった穴周りの加工工具にスポットを当てていく。適応サイズで見れば、クリスタルドリルのφ0・03~BTA工具のφ300までを取り揃え、多彩な穴加工に対応していくことになる」。
 特に今回のJIMTOFでは、工作機械、建設機械分野で高評価を得ている裏座ぐり工具「バックファイヤー」に新シリーズを展開、披露していく。
 「従来は特殊対応としていたオイルホール付きを標準化したバージョンアップタイプを展示。D10~D18までのサイズは、超硬ソリッドタイプを規格化し、鋼本体と比較して40%のたわみ量が減少した。特にD10、D12タイプは、コーティングを施し、4コーナーインサートを採用してSUSなどの加工にも対応可能となった」。
 さらに小径バックファイヤー(ソリッド)も、従来からのホルダー偏心タイプのものから、工具偏心タイプでD3~D8までの新ラインナップを規格化している。
 面取り・バリ取りについては、抜け穴の口元の面取り、バリ取りに適応した「ミニ表裏面取りカッタ」や「球面エンドミル」など、バリエーションの豊富化が図られた。
 「新製品としては、T溝およびボルトの面取り加工に対応した『表裏T溝面取りカッタ』を規格化。大手工作機械メーカーを対象に、テーブルのT溝加工の面取りカッタとして、PRしていきたい」。
 このほか、自動車部品のライン関連で評価の高いサーメットリーマシリーズの「MONOMAX」、ヘッド交換タイプの「ラピッドリーマ」、「リーマックス」の拡販も継続していく。
 工具の価格改定では、11月21日受注分から実施していく方針だ。
 以上が工具関連する提案内容。では、CNC工具再研削盤「EPSILON」、工具測定器「JUST-SCOPE」についての提案、動向はどうだろうか。
 「大手エンドユーザ―の工具研磨室からの内製化に関連した需要で、動きが出てきている。また、JUST-SCOPEについては、当然とは言え、自主管理を志向する現場からのニーズが高い」。
 EPSIRON自体の改良、改善は、要望を織り込み、積み上げてきた。
 「今後は、オートローダーといった、自動搬送対応も視野に入れて開発を継続していく考えだ」。

小径バックファイヤー(ソリッド)に工具偏心タイプも
小径バックファイヤー(ソリッド)に工具偏心タイプも