シーケィケーの8月決算は目標達成の見通し。日本単体で売り上げは20億円規模。グループで見た利益は過去最高レベルに到達。
自社工具の3割程度は、自前のコーティング炉で対応すると語る澤田社長
8月決算を前にシー・ケィ・ケーの澤田社長を訪問した。
「売り上げ、利益、販管費などの指標を意識しながら目標を設定しているが、今期もおかげさまで達成できる見通しとなった。日本の単体の売り上げでは20億円規模となる見込みだ」そうだ。
本社工場ほか、国内各工場は、フル稼働に近い状況で推移しており、中長期的には、新たなエリアに営業拠点開設も視野に入れている。
では、海外展開している各国の状況はどうだろうか。
「5月にタイを訪問した。足を踏み入れたのは実に2年以上ぶり。昨年からローカルスタッフに責任者となってもらっているが、40%以上の伸び率を達成しており、心強い限り。大手企業にも浸透し、知名度も上がってくるなかで、製造工具販売、再研磨の受託(特殊、改造含む)ともに増加傾向を刻んでいる」。
ベトナムは日本人1人にローカルスタッフ3人を抱え、実績も積み上がってきた。
「月に100万円以上のペース。ハノイに進出している日系企業からの工具需要も高まってきた。現状ではハノイ中心だが、南部のホーチミンへの営業展開も考えている」。
中国は2021年後半から需要が高まってきて、現状では工場はフル稼働。
「特にロロマティック、ワルター、アンカの各工具研削盤が活躍している。小径対応では、ロロマティックばかりか、径3ミリオーダーならアンカも実績が伴ってきている」。
工具の原材料手配は、値上がりが進んでいるなかで、先手を打って購入。在庫は豊富にあると言う。
「原材料については落ち着いてくると予想している。ただ、電気代、燃料代、輸送コストほか、高騰が激しく、取り巻く環境は依然として厳しい」うえ「今年から国内と中国の設備投資をスタートさせているが、同じ機械でも価格が2割程度跳ね上がっている物も有る」現状は無視できない。
とは言え、総じてシー・ケィ・ケーグループで捉えたとき、利益は過去最高レベルに到達している。
「名古屋工業大学との協業では、材料のレーザーによる高度化事業が実を結ぼうとしている。主に化学的対応によるものだが、ハイス工具の寿命の検証が一段落。商品化に弾みをつけている」との新たな商品開発も要チェックだ。