タイは過去最高水準の利益、中国は新たに「蘇州工場」着工、ベトナムは体制づくりに一歩、踏み出す 澤田社長に聞く、話題性に富む各国事情。日本本社では営業の種まきを経て芽が出る段階へ
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- タイやベトナム、中国、そして日本本社における工具事業に加え、名古屋工業大学との共同研究で注目される「刃物の超鋭利化事業」など、シー・ケィ・ケーから目が離せない、話題性に富む内容を澤田秀司社長に語ってもらった。
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- ローカルスタッフだったポンチャイ氏がタイの現地法人社長になったと言う。 「中国同様、特に私が関わらなくとも『自己完結』できる体制ができ上がっている。タイ市場は、製造品の動きは今ひとつだが、主力となっている再研磨事業が極めて堅調で、予想以上。新規の自動車メーカーからの実績も積み上がり、6月決算は増益の結果を出している」と語る。
- ベトナムは昨年、いよいよ始動という段階でコロナ禍に覆われ、一時中止を余儀なくされたが「今年に入って、ハノイ現地で日本人の採用が決まり、営業強化の点で、一歩、踏み出した。今後も、スタッフを募り、組織づくりを着実に進めていきたい」との段階に入ってきた。
- 中国は、売り上げの主柱を形成しつつある上海近郊の既存客のフォローや新規開拓に向けて「蘇州工場」の建設着工に踏み切った。
- 「まずは、PR的なショールームの開設プラスαの体制を敷いて認知度を上げていき、仕事を取り込んでいきたい。量産対応は当面、大連工場が担うことになる」。
- 2008年に中国、その5年後の2013年にはタイが立ち上がり、そしてベトナムは今年から、組織づくりの第一歩を踏み出した。
- 「どの国においても、来年に向け、営業の成果を期待したい。各々のレベルで準備が整ったからだ」。
- 因みにタイ、中国は過去最高水準の利益を記録した。
- そして、日本本社だが、8月決算は「若干の減益予想」になると言う。
- 「来期から営業の成果が見込まれ、種まきから芽が出てきそうな段階。大口案件も決まりつつある」と地道ながらも、着実な前進を跡付ける。
- 生産サイドでは設備の老朽化・自動化更新で投資を計画しているが「増産と言う意味での生産本数拡大は考えていない。工具1本当たりの単価アップを追求し、特殊工具の受注拡大を狙っている」。
- 主な設備投資ではANCA製工具研削盤の導入が決まっている。
- 最後になるが、名古屋工業大学との共同研究である「刃物の超鋭利化事業」は、現在、超硬母材の強化のための「レーザードーピング」に取り組んでいると言う。
- 「これまでの物理的な研磨ではなく、化学反応によって研磨する手法。刃物寿命を10倍から20倍へと伸ばしていく目標も掲げた」。