DMG森精機のグローバルパーツセンター完成。伊賀イノベーションデ-で披露
このほど完成を見たグローバルパーツセンタ
- DMG森精機が伊賀事業所(三重県伊賀市御代)に建設を進めていたグローバルパーツセンタがこのほど完成し「伊賀イノベーションデー2019(7月9日~13日)」の初日に披露された。
- 奈良から伊賀事業所内に倉庫機能を移し、床面積12810㎡の規模にまで増床してスタートしたグローバルパーツセンタは①在庫の最適化②キャパシティーの確保③効率化の追求と作用環境の改善‐の3つをコンセプトに掲げ、この実現のため、ERPと連動させて「高層自動ラック倉庫」を導入。WMS(倉庫管理システム)のサポートにより、これまで経験に頼っていたピッキング作業を誰もが迅速に対応可能となった。
- ストック量も従来比150%と高まり、世界のユーザーに向け、24時間以内の発送を目指す(2019年3月現在の発送率は95%)。開所にあたり、森社長は「ユーザーの予防保全を含め、新しい仕組みを改善改良しながら、発送率を高めていきたい」と意気込んだ。
- 同社は昨年、売上実績5千億円超を計上。同水準は初めてという。今年も受注残が見込まれることから同レベルと予測している。ただ、利益率は昨年より改善しているものの「現在の受注環境が続けばさらなる改善は困難」とも。
- 「もっとも、長期的展望は明るく、売上規模は1兆円に達するのではと見ている。私どもの全世界14工場のキャパシティーは1万5千台あり、ユーザーから新規および継続受注を得るにはパーツが間違いなく届くことが重要であり、この要件はクリアできている」。
- また、パーツセンタは、自動倉庫や固定・移動式ラック、WMS(倉庫管理システム)を導入しており、求める部品への最適なピッキングルートが端末機器に示され、これまで経験に頼っていたピッキング作業が誰でも迅速に対応可能となる。在庫品へのアクセスが飛躍的に向上するため、検索時間が大幅に短縮され、出荷量増につながる。
- ところで、今回のイノベーションデーの見どころは
- ①「5軸化・複合化」‐切削・ミーリング・計測・研削機能の一体化に成功したことで、受注も安定推移。今回展ではXXLを含む5軸加工機を使って、様々な工程集約や計測と研削、積層造形までを含めた形での複合化を提案
- ②「自動化」‐代表的なものがワークハンドリング技術と、AIで切りくずを検知し自動でクーラントを流す技術
- ③「デジタルファクトリー」‐プランニング、設計、製造準備、生産、事後のモニタリングに至るまでを結ぶ
- ④「新機種」‐石油・ガス等エネルギー、航空機、半導体など大型ワークを対象としたNLX6000、ドイツ製DMP70、パウダーベッドタイプのLASERTEC12SLM
- ⑤「積層造形」‐パウダーベッドおよびパウダースプレーの2タイプを提案。
- 「従来の切削加工では実現できない生物的な形状を造ることができる。流体・気体をハンドリングする際はなだらかな形状が有利」と自慢のマシンだ。
- 最後に、森社長は高速・大容量、低遅延、同時多接続を特徴とする5Gに関して、「どんなエキサイティングな展開が見られるか、今秋にも伊賀事業所で実験したい。
- 大きな革命が起こるかも」としつつ、あわせて5軸加工機の普及推進を目的に全国70社でつくる研究会の活動内容について話した。そこでは、学生向けトレーニングをはじめ、5軸加工機に精通した同社エンジニアによるレッスン、スクーリングなどが行われている。
記念のテープカット
見学ツアー