THKの中部エリアの需要チェック 顧客の稼働率アップ、受注量も増大に転化
自由な掴みを可能とする「ならいグリップハンド」の販売がスタートした
- 9月に名古屋で開催された機械要素技術展に出展していたTHKブースを訪問。三河、名古屋、小牧など、地元主要エリアの需要状況のヒアリングに加え、出張で足を運んだ下牧営業本部長にもワンコメント頂き近況をまとめてみた。
- ◆
- このエリアでは、自動車、工作機械がメインの需要層となる。
- 「自動車で顕著な伸びを示しているのは高級車種。コロナ感染拡大以前から『倍増』で伸長しているが、当社にとっても、リテーナ入りのLMガイドが採用されており、今後、電動化に関連する部品を主体とした需要の発生に期待している」。
- EV車に絡む発注量が増え、自動車関連の現場の稼働率が徐々に上向いてきたようだ。
- 「工作機械分野は、顧客によって、リモート対応か訪問可能かに分かれる。最近では営業が顧客の現場から、チームズやズームを活用して技術者と繋ぎ、困りごとや質問に対応するようになってきている。工作機械業界もコロナの影響で厳しい状況下に置かれているが、デバイス関連のパソコンやスマートフォンなど、スポット的な需要は堅調だ」。
- 三河や名古屋エリアと違い、小牧は搬送需要が特徴的だ。
- 「半導体に関係し、延期された面はあるが、計画は堅持され、搬送に伴うLMガイド、ボールねじ需要をしっかりと発生させてくれている」という、スポットながら、期待を抱かせる分野のようだ。
- 話題を変え、ブース来場者について水を向けると「決して多くはないが出足は悪くない。AGVやロボットの活用を、特にコロナ対応も視野に入れて提案している」のも、当然の流れだろうか。
- THKでも販売スタートさせる、関連会社トークシステムから提案されている「ならいハンド」。治具であり、グリッパーであるが「複数から成る素子によって、自由度の高い掴み方を可能とする。現状は、すべて顧客によって異なるカスタマイズ製品だが、受注している内容を精査し、標準化を追求している」と言う。
- 景況的にはコロナ前の2019年10月辺りが底で、3月迄回復基調にあったものの、そこにコロナ禍の影響がきた。
- 「だが、ここにきて(9月辺り)顧客の現場の稼働率が上がってきて、受注量が増えてきた。特にEV車関連部品の需要は伸びが期待できると予想している」。
- 4月から本格化してきているコロナ対応で、下牧営業本部長は「WEB展示会の運営を営業や技術、製造等が一体となって取り組み、チームとしての対応で成果を上げつつある。ウェビナーでは、毎回、100人近い参加者を得ているが、チャットを活用した意見、質問が活発で、ニーズの把握のうえで、欠かせない場となってきている」とコメントしてくれた。
若い来場者の訪問も目立った