「特筆に値する中国市場の活況ぶり。影響大きい政府による補助金対応」‐中野LMシステム営業本部長(THK)

THK株式会社

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中野LMシステム営業本部長

MEX金沢に出展していたTHKブースに中野LMシステム営業本部長を訪ね、LMガイドの最近の動向を中心にヒアリングを試みた。


 第一クォーターが既に経過した。
 「中国市場が活況を呈しており、弊社の業績のうえでも3月以降、受注数字が顕著に積み上がってきた。自国の産業の育成、成長に対する、政府による補助金の影響が大きいと言えようが、4月に開催されたCIMTでは、展示面積の広さが従来の2・7倍にまで拡大されており、政府による支援が充実していることを伺わせた」。
 中国市場と言えば、EVメーカーであるBYDの台頭は著しい。日本の工作機械メーカーにとっても、最重要顧客の1社と言っても過言ではない。
 「自動車ばかりか、半導体分野でもデータセンタなどのインフラ関連で需要が高まっている。注目しない訳にはいかないだろう。その勢いは、半導体製造装置市場にも波及している」。
 ところで、他の市場はどうだろうか。
 「対前年第1クォーター比で見れば、欧州、米州、東南アジアといった、すべての市場でプラスに振れている」と指摘しながら「唯一、日本市場だけがマイナス。将来的にも需要の縮小は、否定できないと思う」。
 このほか、今後の事業計画と言う点で、日本市場での「MRO」事業の強化が挙がった。
 M=メンテナンス、R=リペア、O=オペレーションという、既存設備への対応を図る、日本のものづくり全体への支援事業。
 「MROはすでに展開しているが、体制を含め、さらに強化していく。乞うご期待」と中野LMシステム営業本部長は締めくくった。

 MEX金沢で、注目された動剛性測定「DYNAS」(ダイナス)に触れてみたい。工作機械や半導体製造装置などの、装置開発のサポートに関する提案となる。
 アテンドしていた古澤課長は「弊社がこれまで、様々な産業で関わってきた経験をもとに、測定・解析を行い、振動測定を可視化します」との概略を述べつつ「装置の挙動を把握できる適切な位置にセンサを取付、装置の固有振動を励起する適切な加振位置・方向に加振する。その測定・解析結果を提供します」と説明する。
 工作機械であれば、製品品質の向上や高速化、半導体製造装置等であれば、高密度製品づくりやスループット向上のサポートで活躍が期待できる。
 「装置づくりの課題をクリアにし、技術力、競争力を向上させる装置開発に適用頂ければ」と訴えた。


MEX金沢でアピールされた新製品群


DYNAS(ダイナス)のアテンドを務めた古澤課長