IZUSHI主催「欧州ECOツーリングシステム展」に「hyperion」を披露したZoller Japan。
横置きタイプの旋盤用として唯一のツールプリセッター

ZOLLER Japan株式会社

ZOLLER Japan株式会社

横向きに配置可能なツールプリセッター「hyperion」

5月28、29の両日、IZUSHI主催の「欧州ECOツーリングシステム展」(中部支店/刈谷テクニカルセンター)にZOLLER Japanも参画。実機では横向きに置ける、旋盤用としては唯一のツールプリセッター「hyperion」を披露するとともに、IZUSHIのテクノロジーパートナー企業であるW&F社のクイックチェンジホルダーシステムMicroとツールプリセッターとのコラボレーションを通じた「一発高精度加工」を含む講演が行われた。

 講演では奥マネージャーが、工具測定の外段取り化による時間の大幅削減や自動測定による誤差の解消、作業効率のアップ、さらに自動化を伴う高精度化がもたらす、工具の振れやR、刃先の検査の加工前チェックによる加工不良率の低減などをアピールした後、出展機である「hyperion」について概説。
 「venturionと同レベルの繰り返し精度2μmを保証。ターレット型工具台を搭載し、様々な工具のクランプを可能とするほか、Y軸に旋回カメラを搭載し、旋盤用工具の芯高測定も行うことができる」との特長に触れた。
 IZUSHIの永岡マネージャーからは、W&F社のMicroについて、外段取りを可能とし、工具交換作業をワンタッチで、しかもスキルレスで実現。寸法確認用の加工が不要となり、加工品位も安定する、との説明が行われた。
 hyperionとの「一発高精度加工」では、機外測定による(工具の)測定値を旋盤にインプット。測定した工具は旋盤にワンチャックで取り付け、試し削りなしで加工をスタートさせた。
 「事例では、従来の旋盤加工に比べて、段取り時間が50%削減でき、(試し削りなしによる)ワークの廃却ゼロを達成。量産加工現場では、まさに目に見える改善が実感される。前提となるのが、高い繰り返し精度、ミクロンレベルの正確な測定であり、高いクランプ剛性、芯高精度にあると言って良い」と奥マネージャーはコメントする。
 試し削りなしの事例で、自動車部品の単価を1000円とした場合、1日1000個の生産数で、試し削りによるワークロスが1日50個と換算すると1日当たり1000円×50個=5万円。20日で100万円の損失と計算された。
 2日間の合同セミナーを終えてZOLLER Japanの龍口社長は「好評のうちに終えることができた。とは言え、客層では、地元大阪・関西のお客様が皆無だったので、次回は8月28、29の両日に、弊社大阪本社で、再度、合同セミナーを開催したい。詳細は現時点で未定だが、期待して頂ければ」と結んだ。


講演する奥マネージャー(左)とIZUSHIの永岡マネージャー