栄工舎から樹脂加工に特化した、超硬樹脂用リーマをリリース。φ3ミリからφ12ミリまで、100分の1トビでラインナップ
安部川社長
- 5月から今期がスタートした栄工舎を訪問し、安部川社長に「滑り出し」の状況についてヒアリングするとともに、このほどリリースされた新製品、超硬樹脂用リーマについて取材した。
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- 新規開発がストップしていた客先が動き始めた。
- 「3月以降になるが、ヒモ付きの特殊品の回復がいち早く見られるようになり、ロットで見れば2倍近くに膨らんだ」ほか、短納期を求める声が強くなってきている。「材料手配では花形サイズの入手が困難になってきた」事情も発生してきたようだ。
- 総じて今期からのスタートは順調に推移している。売り上げでは12億円の目標を掲げた。
- このほどリリースされた新製品は、超硬樹脂用リーマで、被削材として「樹脂」に特化している。
- 「顧客からの要望がきっかけで開発がスタートした。一口に樹脂と言っても、硬いものもあれば、粘っこいものもあって一様ではない。金属よりも扱いが難しい、との指摘もあった」。
- 樹脂と言う素材自体に「応力」がかっており、均一にするためには「アニール処理」を施すそうだ。
- 「ユーザーは、自動車産業をはじめ、化学プラント関係、半導体製造装置、医療分野ほか、多岐にわたるが『やっと、専用のリーマが出たか』って言われる。待ち望まれていたのが実感できてとても嬉しく思う。当面は医療用部品加工分野をターゲットにして進めていきたい」。
- 樹脂加工でのポイントは「いかに熱の発生を抑えるか」だと言う。
- 「3穴のオイルホール付き仕様にし、止まり穴でも加工熱の発生を防いだ。切削スピードも上げられる。面粗度アップを考慮して、エンド刃付きの3枚刃という奇数刃にして、切粉の排出性をアップさせてもいる」。
- ユーザーでのテスト加工を経て、第三者機関で計測して「合格」。φ3ミリ~φ12ミリまで、100分の1飛びでラインナップされている。
- 「テストワークと共に資料を携えて、説明に伺い、見積もりを行う。基本的に即決いただくケースがほとんど」だと言う。 栄工舎ではアルミ用、高硬度材用、ステンレス用と、被削材別のリーマを市場投入してきたが、金属以外は初めて。
- 「精度が要求される加工現場で、今後、どのような引き合い、受注へと結びついていくか、楽しみにしている」。
- 因みに樹脂用のカッターシリーズは、既に販売されており、好評を得ている。
新潟工場の稼働が一段とアップして大きく(写真は星野工場長)