創業から15周年迎えたツールドインターナショナル。新卒採用で、増してきた社員教育の重要性。クーラントシステム「エアロフォース」は要チェック

ツールドインターナショナルの若手スタッフこそ「激アツ」だ
2010年創業のツールドインターナショナルを訪問した。7月から新たな期がスタートするとともに、創業から15年周年という時を刻み、立ち止まることなく前進するなか、当初からお付き合い頂いている小社としても「感無量」の思いが込み上げてくる。改善か、革新か‐この2択を常に世に問い、ブレることなく継続し、イニシアティブを発揮する大藪社長に、言葉を選んでもらいながら、本音を吐露してもらった。
起業を決意した2009年は、リーマンショック後の「厳しさ」が継続していた。
「良くない経済環境下でも生き残ることができれば、そのまま継続できると思った」。
創業時は37歳で、今は52歳。15期連続で黒字経営を達成している。
「やりたいことをやっているので、辛いと思ったことはない。一度も赤字を出したことはない。ただ、ヒトの問題こそ、企業なんだと肌身で実感している」。
創業メンバーがそれぞれの道を歩み出したり、中途採用もままならない時期があったりと葛藤もあったに違いない。
「4年前から新卒採用をスタートさせた。入社2年目となるスタッフが2人、3年目が2人の計4人だが、情熱を抱いて入社してくれたことが、経営者としての私の考え方に変化をもたらしてくれている。今後も新卒採用を堅持していく方針だ」。
東京本社をはじめ、名古屋、大阪の各営業所のほか、広島、福岡、長野にも営業マンを配置し、広くエリアをカバー。
「ネットワーク網の充実に配慮してきたが、これに伴い、市場にアピールできる社員教育の重要性を感じる。顧客の相談ごとに応じて、商材を説明し、使って頂く。企業は、やはり人がありき、で成り立つ」。
商社にとって、社員の成長に次ぐものと言えば、やはり扱う商材ということになろうか。
「昨年のJIMTOFに参考出品し、今年から拡販スタートしたイスラエル・smartec社のハイブリッドクーラントシステム、エアロフォ―スは、従来からの工具販売とは違う展開をもたらしている」と言う。
ユーザーからの問い合わせで最も多いニーズは切粉除去。クーラントシステムという工作機械廻りの商材という観点から、機械メーカーとも連携し、アプローチを進めている。実際、販売店主催のプライベートショーでも機械メーカーとタイアップして工作機械に取り付け、実演展示を行った。
「テスト即、購入の実績も出てきた。デモ機待ちは、30社ある」という反応の良さばかりか「従来は敷居の高かったユーザーにも門戸が開かれつつあり、工具販売の広がりにも通じてきた。切粉除去は、誰もが頭の痛い問題になっていることを痛感する」。
エアロフォースは、外がけのクーラントポンプからクーラント供給に「エアー」を加えることで、切りくずの除去が可能になるばかりか「工具寿命の延長ほか、生産性向上、送り速度向上、面粗度アップにも貢献する」。
大藪社長は、この1年で、将来の可能性が見通せるのではないか、と予見する。