ワルタージャパンから新製品となる自動盤向け工具とポーキュパインカッタをリリース
今年からエンジニア、セールス、マーケティング各セクション増員体制構築

ワルタージャパン株式会社

ワルタージャパン株式会社

新製品を手にする、マーケティング担当となった安藤さん

ワルタージャパンからリリースされた新製品2点の詳細なヒアリングを計画、訪問したところ、江越セールスマネージャー、安藤マーケティングスペシャリストに、オーエスジーとの業務提携終了に伴う、新体制の構築、独自販売の追求についても取材する機会を得た。

 エンジニア、営業、マーケティングの各セクションで増員が図られ、ワルタージャパンは従来比で1・5倍の人員体制となった。
 江越セールスマネージャーは「体制強化は、ユーザー様、流通各社様からの、従来からの要望であり、ドイツ本社幹部からも昨年来、(日本の)拡充に積極的な意見が出されるに及び、活動強化に向け、一歩、踏み出すことができた」と語る。
 マンパワー強化は、様々なレベルで求められたようだが、直接的にはオーエスジーとの業務提携が2023年末で終了したことが挙げられるだろうか。
 「40年以上にわたって継続してきたOSG‐WALTERブランド工具の国内展開を軸とする提携を昨年末で解消した。事業環境や弊社の販売戦略の変化に伴う選択だったが、新たなワルタージャパンの構築に向けた独自活動強化が改めて求められている。代理店や商社の新規開拓など、将来展望との関連で、課題をひとつ、ひとつ、明確にしながら前進していきたい」。
 新製品情報については、今年の1月に入社した安藤マーケティングスペシャリストに水を向けた。
 「2024年第一弾として、1000アイテムにおよぶ新製品を追加したが、日本市場で特に注力していきたいのが、4月にリリースした自動盤用旋削および溝入れ加工用チップとミーリングカッター『Xtra・tecXT®』シリーズに新たに追加したポーキュパインカッターM5250だ。前者は、弊社の小物部品加工向け工具として、新鮮に捉えられており、後者はヘリカルカッターのロングセラーの拡充として迎えられている」と言う。
 自動盤向け工具(チップWT/ホルダーW2011)では、φ1~φ12の小径部品加工向けがラインナップとして加わった。数万~数十万ロットという自動車向けバルブ部品や小径シャフト、インプラントなどの医療分野が主なターゲットだと言う。
 「旋削、溝入れともに豊富なチップ形状を取り揃え、鉄やステンレス、チタン合金など幅広い被削材に対応する。チップ側面に1度の傾きを設けることで、ワークやチャックの壁際でも干渉することなく、溝入れ加工を可能としている」。
 ポーキュパインカッターM5250は、完全切刃仕様で、鋳物などの重切削はもちろん、難削材分野への適用も可能。肩削り、ポケット、ランピングの各加工に加え、フル溝加工にも対応だ。カッター径はφ50、φ63、φ80をラインナップ。
 「防振性能に優れ、ビビリを抑えた『G51』、チタン合金の加工に適したウェーブカットブレーカー付きの『G55W』など全6種類のチップブレーカー形状を展開している」。
 締め括りとして江越セールスマネージャーは「ドイツ本社は、日本市場におけるポテンシャルの高さに注目している。我々としては、その可能性を引き出し、具体化し、弊社の工具の可能性を検証していきたいと考えている」。


自動旋盤向け旋削および溝入れ加工用チップWT26/ホルダーW2011


Xtra・tecXT®ポーキュパインカッターM5250