ワルタージャパンから新製品「連打」。初のサーメットチップも登場
今江博之社長
- ワルタージャパンから新製品が相次いでリリースされ、今江博之社長を訪問。注目すべき商材をヒアリングした。
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- 「今年に入り、対前年比で確固な成長。計画を上回る好調さで、商材ではシルバーコーティングを施した突っ切り・溝入れ工具に引き続き勢いがある。新たな動きでは、タイテックスブランドのハイス工具の引き合いが目立ってきた」と語る。
- 新製品すべてをカウントすれば、その数2200アイテムに及ぶ。が、ジャパンでは、日本市場で優位性のある商材を拡販の目玉に据えていく方針だ。
- 「まず、紹介させていただきたいのが、当社初となる汎用のサーメットチップ、WEP10。日本やアメリカ市場を意識してリリースされたもので、面粗度のみならず、面品位=見た目という日本ニーズには、特に有効と考える。鉄系、鋳鉄系、ステンレス鋼などの被削材に最適」。
- 超硬に比べ、面品位ばかりか、長寿命という利点を強調しながら旋盤加工分野での拡販に努めていくことになる。
- 一般部品加工向けに提案されたのが超硬ドリル「DC160」。
- 「先端部が低抵抗。その結果、ワークに食いつきやすくなり、穴精度を高めていくことに繋がる。周速を高めても耐摩耗性の高いソリッドドリル用新コーティングの効用もご確認頂ければ」と今江社長は訴える。
- コストパフォーマンスと流通での販売を意識して放たれたのがハイスのドリル「PERFОRM DA110」で、汎用性の高さに加え、経済的な利点が魅力。
- 「直需ばかりか、流通を通じて、伸ばしていきたい商材。開発姿勢としても『売りやすさ』を意識して具体化された経緯がある」。
- ワルターならではの、という意味で注目したいのがタービンブレードの荒加工に特化したタイガーテックゴールドチップ材種「WMP45G」だ。
- 「この被削材の特徴でもある難削性の高さ、翼を両側だけで支える不安定さ‐この2点で優位性を発揮させていく。切れ味の良さ、ビビっても欠けにくいメリットを享受していただきたい」。
- 航空機用のアルミ合金加工専用工具に挙げられたのがランピングカッター「M2331」だ。
- 「牧野フライス制作所の航空機エンジン加工向けで実績の高いMAG、その能力を最大限発揮させることのできる工具となる。今まで高回転域に対応する工具はなく、エアロスペースチームとの共同開発で生まれた。ニッチだが、確実に需要を喚起できると思う」。
- 以上、ピンポイントながら新製品をなぞってみた。
- 「ワルターでは、8か月ペースで新製品のリリース実施してきている。好調に推移する市況にぜひとも浸透させていきたい」と今江社長は結んだ。