ワルタージャパンが新製品講習会を可能な範囲で実施。倣い旋削加工用工具、ねじ切りカッタ、最新コーティング「タイガーテックゴールド」 1月~3月は堅調に推移。4月以降は不透明感増す。

ワルタージャパン株式会社

ワルタージャパン株式会社

江越テクニカルトレーナー

  •  ワルタージャパンの江越テクニカルトレーナーに面談し、最新工具の特長とその魅力についてヒアリングを行った。

 

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  •  最新工具ついて、ワルタージャパンでは、適宜、講習会を実施してきている。
  •  江越テクニカルトレーナーは「関東、関西を問わず、可能な範囲で開催してきた。嬉しいことに『試しに買う』ケースも増えてきて、(幅広い活用の)可能性を感じさせてくれている」。 なかでも、一番、反響の高い工具が倣い旋削用工具「W1011」。昨年11月にリリースされ、自動車部品の協力工場で成功事例が積み上がってきた。
  •  「刃形状と角度の違う3コーナー使いのインサートチップが4種類。先端角は35度。三つ又のポジロック機構のクランプで安定させると、刃先の再現性が50%程度高くなる」と言う。  参考までに、代理店のCOMINIXでテスト加工が行われ、ユーチューブで動画もアップされている。
  •  2番手に紹介されたのが「ねじ切りカッタ」だ。
  •  「小径用はソリッドタイプ、大径になるとインサートチップ式をそれぞれラインナップ。たわみを防ぎ、切削抵抗を最適化する『複数刃列』コンセプトで、1周ではなく、数周、回ってねじを切る方法を採用。切削条件を高く保てるメリットがあり、タップ並みの高速加工が可能だ。1穴当たりの加工時間で見た生産性も高い」。
  •  破損しても、タップ除去のように手間取ることが少なく、事後処理が容易、とも補足してくれた。  最後になるが、是非とも、と指名されたアイテムが、最新コーティング「タイガーテックゴールド」だ。
  •  「WSP45Gというミーリングカッタ・ドリル用の最新コーティング。PVDコーティングでありながら、当社独自の技術力でアルミナ膜を挿入。耐熱性が抜群で、鉄やステンレスをはじめ、難削材でも幅広く適用できる強みがある」。
  •  タイガーテックテックゴールドは、今後、10年にわたって、ワルターの工具の世界を牽引していくそうだ。
  •  結びとして、ワルタージャパンを取り巻く状況はどうか。
  •  「2021年に入り、1月~3月の1クォータ―は堅調に推移した。だが、4月に入って以降、またも、景況に不透明感が増してきた。海外はワクチンの普及とともに需要が回復し始めた。早い段階で、その波が日本にも押し寄せてくることを望んでいる」。

 

ねじ切りカッタ(ソリッドタイプ)

ねじ切りカッタ(ソリッドタイプ)

 

ねじ切り工具(インサートチップ式)

ねじ切り工具(インサートチップ式)

高送りカッタ&肩削りカッタには、タイガーテックゴールドのニューバージョンが施されている

高送りカッタ&肩削りカッタには、タイガーテックゴールドのニューバージョンが施されている

倣い旋削用工具「W1011」と3コーナー使いのインサートチップ

倣い旋削用工具「W1011」と3コーナー使いのインサートチップ