ヘリカル加工エンドミル「ドリミル」がシリーズ化して、進化、発展。
9月中にはアルミに加え鉄、ステンレス等のラインナップも。イワタツール

株式会社イワタツール

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ヘリカル加工エンドミル「ドリミル」が進化が止まない。ロボットテクノロジージャパンブースでの岩田社長

ロボット加工の有力ツールとして「登場」した、イワタツールのドリミルが、シリーズとして進化を遂げつつある。
 岩田社長は「アルミ加工のみならず、鉄、ステンレス用も9月中にはラインナップしていく計画。刃型のみならず、コーティングにも工夫を凝らし、サイズとしては、φ3~φ16までを想定している」と語る。
 マシニングセンタで活用する、ヘリカル穴加工エンドミルとして、期待され、現在、テスト加工ユーザーを募集中だ。
 ロボットテクノロジ―ジャパンの出展ブースを訪ねると「ドリルと比較」「従来のエンドミルと比較」が詳述されたチラシが配られていた。

ドリミルの特徴の詳細であり、まずは「ドリルと比較したヘリカル加工」について・・・
 ▼使用工具削減・・・ヘリカルな軌跡を描けるため、穴径は自由。工具径の2倍までの加工を下穴なしで行えるほか、従来、複数の工具で行っていた工程を1本で集約することも可能だ。さらに段付き穴の加工にも対応できる。
 ▼高精度・高品質・・・ドリルよりも高精度な穴位置が可能。加工機の精度によっては、真円度、穴径精度の大幅アップが期待できる。バリの発生がほとんどなく、綺麗な穴があけられるばかりか、ポケット穴への対応も可能となる。
 ▼切りくずトラブルの回避・・・ヘリカル加工による穴あけは、ドリルよりも短く分断された切り屑となり、詰まりを回避し、スムーズな加工を実現していく。
 続いて「従来のエンドミルとの比較」では・・・
 ▼革新的なスピード・・・従来のヘリカル加工エンドミルの欠点として、加工に時間を要することが挙げられるが、ドリミルは従来比3~7倍のスピードで、ドリルに近い。
 ▼加工速度と工具寿命向上の両立・・・ドリミルは、底刃が特徴的な「中べこ」形状となっており(特許申請中)、通常、ランピング角2~5度のところを15度以上で加工可能なため、加工時間が激減。工具とワークの接触長さも短くなり、加工時の温度を大幅に下げられることで工具寿命の伸長が期待できる。さらにセンターオイルホールからクーラントを吐出し、切り屑を効率的に排出させることができる点からも、加工速度と工具寿命に寄与する。
 ▼低剛性ワーク、薄板のワークも歪めずに加工・・・従来のエンドミルよりも切削抵抗が少ないため、薄板や剛性の低いワークでも歪めずに加工が可能。ロボットマシニング用にチューニングされたドリミルもラインナップしている。
 以上、ドリミルについて、配布されていたチラシをべース詳述した。

岩田社長にはこのほか、海外動向についてもヒアリング、以下に纏めてみた。
 中国では、日系企業でも工具のコストを意識した購入が増えてきており「中国で生産、中国で販売」が軌道に乗ってきていると言う。
 タイは新工場稼働から3年目に入った。中国同様に「地産地消」が定着しつつある。
 ベトナムは、代理店5社によってスタートを切った。市場的には小径部品加工が多く、量も多い。在庫はイワタツールベトナムで対応している。
 欧州は、生産性への評価で、トグロンハードドリルの伸びが半端なく大きい。認知度アップが奏功している。
 以上が「海外のスケッチ」となるが、このほど、ロボット加工技術研究会が発足し、発起人の一人として岩田社長も名を連ねている。イワタツールはニュース性に事欠かない。


ドリミルのラフィングタイプも出展された