注目されるウレタンゴム加工用工具。ニチアロイ・大野営業部長に聞く。TZ合金の市場浸透も視野
ウレタンゴム加工用工具
特殊工具が大半を占めるニチアロイだが、なかでも、この5年間で最も注目されているのがウレタンゴム加工用工具だ。
大野営業部長によると「ドリルのほか、エンドミルではスクエア、ラジアス、ボールとラインナッププも充実してきて、最近では段付きドリルも仲間入り。サイズはφ0・5ミリ~となる。切削加工で難しい、軟質と言われるウレタンゴムの加工用工具も提案している」と語る。
製品化のきっかけは、関西地区代理店社長からの要望で、トラックヤードでの荷物積み下ろし時の衝突防止バンパー用として、開発に着手された。昨年のメカトロテックでも「ゴム加工でお困りの方から、好反応を得た」と言う。
2024年のテーマについては「メカトロテックで参考出展したバリレス工具のような、スキマを狙った工具の具体化を進めていく」一方「工具製造に特化し長寿命化を図っていく合金素材、TZ合金の販売を進めていき、市場浸透を促進していきたい」と展望する。
昨年の4月~12月の業績は、売り上げでは減少を余儀なくされたものの、一昨年の価格改定が奏功し、利益面ではアップしてきている。
「弊社は基本的に特殊工具でスタートするが、量がまとまってくれば半ば準標品として対応できるようになり、標準化への道を模索していく。テスト加工にも対応できる体制を整えており、ご相談を頂ければと思う」。
日本超硬からニチアロイに社名変更し、新工場を完成、稼働させるようになってから2年が経過した。2024年の新たな試みに期待したい。