インドネシア工場開所式挙行。販売拡大に向け、本格スタート切る。

エバーケミカル工業株式会社

エバーケミカル工業株式会社

関係者代表が集った(中央左が現地法人会長、同右がエバーケミカル工業会長)

 

  •  今年で創業35周年を迎える油剤メーカー、エバーケミカル工業。昨年はインドネシア現地法人設立、開所式開催と新たなスタートを切った年となった。そこで、八木俊衡社長を訪問し、開所式の模様や現地でのビジネスについて伺った。

 

 

 

  •  はじめに昨年を振り返ってもらうと、「日本や東南アジア地域の景気低迷が続くなか、国内外の新規顧客の増加もあり、順調に推移している」と語る八木社長。「昨年も様々な問題点について、油剤の変更や使用方法の改善アドバイスをさせて頂くことにより対処した案件が多数あった」という。
  •  また、油剤の取り扱いに関する講習会も多数開催。「油剤の基本内容から使用方法、管理方法、そして問題発生時の基本対応方法などの講習会を行ってきた。現場では、『油はかかっていればよい』という考え方が多くみられる。講習会を通して、油剤の選定の重要性と管理方法によるコストダウン低減を理解して頂く。そして、工具や砥石だけでなく油剤の変更の必要性も訴えている」そうだ。
  •  そんななか、昨年4月に設立したエバーケミカル・インドネシアが同12月7日に開所式を迎えた。
  •  現在、2輪車、自動車、農機具の部品加工を行う日系企業・ローカル企業を中心に営業活動を展開している。
  •  設立のきっかけとなったのは、ローカル企業からの1件の相談だった。現状把握と問題点の原因を追究した上でテスト版を提供したところ、先方から「『工具寿命が延び、コストダウンできた。更に5Sも油剤変更でできるとは思わなかった』と、大きな違いを実感頂き、即座に弊社製品に社内統一頂いた」そうだ。
  •  その後、「大多数の問題点が解決でき、納入先からの評価も上がった」とのローカル企業、「工具寿命の延長、製品の品質向上と不良率の低減によるトータルコストダウンできた」との日系企業からの反響をきっかけに、2年間の現地調査を経て現地法人設立に至った。ジャカルタ市プロガドン工業団地に工場を設け、研究室も設置。「コストはかかったが、信用になる」と、研究室内の主要な設備には日本製を導入。現地スタッフの雇用も開始した。
  •  「現地法人ができたということで、多くの引き合いを頂き、テストも行っている」という。中には「桁違いの工具寿命の延長と寸法精度・面粗度の向上を達成した」という日系企業もあったそうだ。
  •  工具寿命を延ばすことで、工具コストを削減できる。ケースによっては、数十万円単位のコスト削減の可能性も秘める油剤。「今年は、『実績を作る年』と銘打ち、コストダウン実績を作る。まずは、顧客の要望に対応した製品ラインナップを増やし、これをもって市場を開拓する。その他、加工油剤の汎用品や防錆剤、洗浄剤も充実させていく」と、今年の抱負を語る八木社長。
  •  そして、「インドネシアの事業で成功を収めることができれば、アセアン地域、日本にも展開していきたい」と、展望を語った。

 

  •  エバーケミカル・インドネシアの開所式は、平成28年12月ジャカルタ市内にある同社工場にて開催。席上、八木社長は、法人設立の経緯を説明し、設立に尽力した関係者に御礼を述べたあと、「日本で築き上げてきたこと、弊社の標語である『ever onward(限りなき前進)』と『油剤のホームドクター』を、インドネシアでも実現させていく」と決意を述べた。

インドネシア工場内の状況

インドネシア工場内の状況

 

開所式で挨拶する八木社長

開所式で挨拶する八木社長