ワールドワイドで奏効する日進工具の「ニッチトップ戦略」。自動車のモデルチェンジ、デザインの多様化で新たな小径需要発生

日進工具株式会社

日進工具株式会社

後藤勇二海外営業部長

  •  日進工具は、現在、海外比率が25%~30%を占めている。
  •  後藤勇二海外営業部長は「5年前と比べて、輸出金額が大幅に伸長した。ワールドワイドでも『ニッチトップ戦略』が奏功いている現実を掴み取った」。
  •  半導体、光学レンズ、スマートフォン、自動化、ロボットのセンサー・・・ランダムに思いつくだけでも、日進工具の切削工具が活躍する場面には枚挙に暇がない。
  •  「これら分野は、中国がトップシェアを占めている。昨年末から急増している需要は、半端ではなく、いい機械、いいソフト、そしていい工具・・・といったツールを活用して、いい金型を製作する、その勢いは凄まじい」。
  •  ただし、と後藤部長は「ヒトの介在するレベルは、課題として残る」と付け加えた。
  •  9月の独・EMOショーでは、多数のエンドユーザーがブースに顔を出してくれたそうで「光学、医療、自動車の各分野に対し鏡面加工の提案を行った」と言う。
  •  さて、話はタイになるが、ファクトリーマックスという技術重視の商社との二人三脚で、タイ市場に「NS」の2文字が浸透している。
  •  「技術大学や専門学校で学び、入社後も技術研鑽を積んでいる営業マンが数多い。昨年は、テクニカルセンターを立ち上げられ、いっそうの高みを目指し日々、努力され、金型に強い技術商社としての地位をより強固に確立されている」。
  •  2017年のタイは、日進工具にとって「いい1年」だったそうだ。
  •  「自動車のモデルチェンジによる金型の変化、デザインの多様化等による、新たな需要の発生は、特に、小径需要を促した。ハンドル周りの小さ部品の広がりや、たとえばヘッドライト部は、100分の5Rのエンドミルでの仕上げを要求している。PCD工具、CBN工具が伸長する、新案件も増えつつある」。
  •  2017年は、タイ市場で、新しい工作機械が増え始めたことも、小径工具の需要を刺激した要因に挙げられよう。
  •  「工作機械が新しくなり、2万回転~4万回転という、高回転での加工が多用されてくると、小径工具の使用がぐんと増えてくる。日系企業を中心に技術サポートの依頼が多くなってきた。在庫を持つことの大切さも実感している」。
  •  ファクトリーマックスとの付き合いも、20年という節目を迎えた。
  •  「代理店の営業マンに対し、技術サポート、教育の充実を通じて、客先の現場の生産技術力の高まりに応えていきたい。特に、被削材や加工法に応じた切削条件やCAMの提案は、重要になる」。

 

ファクトリーマックスの日進工具ブースでは、営業マンによる熱心な説明が行われていた

ファクトリーマックスの日進工具ブースでは、営業マンによる熱心な説明が行われていた