TIMTOS2017訪問記
若い層が数多く来場したTIMTOS
- 去る3月7日から12日までの6日間、台湾の台北市内にて台湾最大の工作機械関連見本市が開催され、訪問してきた。
- 会場はメイン会場である台北世界貿易会館、エキスポドーム、南港会館、の主に3か所で分散開催。各会場間は無料のシャトルバスで結ばれるも夫々移動には凡そ15~20分程度掛かり、不便を感じる。
- 会期の7日から12日という最終二日間が土日に当たる為か、平日の来客はそれほど多くは感じられず、最終日前日の土曜日に固めて押し寄せた感じだった。
- 出展者数は公式発表では1100社(その内、国外からの出展330社)。ブース数5430小間(その内、国外からの出展1069小間)。来場者数は50146人(その内、国外からの来場者7339人)。
- 過去3年間ほどは中国市場の成長鈍化で景気が悪かった為、それに合わせて台湾の景気もあまり良く無かった。昨年末あたりから中国のIT関連市場が急に活況となり、台湾経済も盛り上がって来ているとの事。その停滞期の最中である一昨年に行われた前回の実績に比べ今回の出展社数と来場者数はほぼ横ばいか微増と言ったところ。主な台湾各企業はまだ資金的には余裕があり、投資先を伺っているようだ。
- ここで再び先程の展示会の数字を昨年のJIMTOF2016と比較してみる。JIMTOF2016は出展社数969社(その内、国外からの出展284社)、ブース数5,518小間(その内、国外からの出展483小間)。来場者数は180,988人(その内、国外からの来場者19,428人)。
- 出展者数を比較するとTIMTOS:JIMTOFで1100: 969。
- 数だけで比較すると約10%TIMTOSが多いのに対し、来場者数で比較するとTIMTOF: JIMTOFで50146:180,988となり、
- JIMTOF来場者はTIMTOSの3.6倍だった事になり、この数字の相関は興味深い。
- 因みに日本の名目GDPは台湾のほぼ8倍である。
- 以上の数字より、今回の会場を見て回ると、各種工作機械、機器、工具、ソフトウエア等、ものづくりに必要なものは全て揃っており、台湾の国内市場規模を考えると、海外ニーズに軸足を置いているのが見て取れる。夫々の製品価格帯は日本製相当品の半額から、と言う低価格を武器に過去10年余りの中国や東南、南アジアの経済発展に伴いしっかりとビジネスを拡大させて来た。
- ただし、彼等の数や規模等を見ると、この業界に必須と思われるアフターセールスのサポートは十分にできているとは思い難い。実際日本のユーザに出荷実績があり、これから日本市場にも売って行きたいという工作機械メーカ担当に聞いてみると、次のような回答が得られた。
- 我社の製品は2年保証で十分な保証がなされている。もちろんその間に故障したら部品代作業費とも無償対応します。もし保証期間後に故障したら主要部品は日本製なので、日本で直接購入して下さい。その交換調整作業が必要な場合はこちらから必要なタイミングで技術者を派遣し修理対応します。ただし日本に駐在員や事務所を置く予定はありません。 と言うさっぱりとした姿勢で、気付いてないのか、その気がないのかの割り切り具合だった。新興市場の中国市場ではうまく立ち回って来れただろうが、日本市場では受け入れてもらうのは難しいかもしれないし、性能品質を論ずると不安や要求に対する不満足が出て来るかもしれない。だがそれを全否定する前に、欧米や日本メーカのOEM供給元として技術力を蓄え成長を続けたり、中国市場で蓄えた財力と機動力で、経営困難だが技術力のある大小様々な日本企業を買収している台湾企業が出て来ている現状を改めて評価する必要はあるかもしれない。 展示会来場者の様子に話を戻すと、比較的若い世代或いは中堅層と言った世代が多く見受けられ会場のあちこちで熱心に話しをしていた。
- この展示会にもカメラ小僧は何度か見受けられ、熱心にポーズの依頼や何度も取り直しの高家を目にした。
- 帰り道の桃園空港のフードコートで、ついに最近流行の名古屋名物台湾ラーメンを発見。ただしそのネーミングは、名古屋ラーメン、となっていた。
- 台湾ラーメンは台湾に無く、名古屋ラーメンもやはり名古屋に無い。皮肉なネーミング合戦でした。 訪台の際はお試し下さい。