「1品流しからの自動化」で活躍するSmarerrace。20セットが加工現場で活躍

ワークショップでは奥野開発部長による「1品流しからの自動化」が提案された
松本機械工業は、出展ブースやワークショップを通じてMEX金沢で「1品流しからの自動化」にフォーカスした。
ロボットを駆使して「一直24時間」の体制を敷くSmartTerraceは、周辺装置を含め、人に代わって、夕刻の5時から翌朝の8時まで、現状では、最大32回の無人自動段取り替えを可能にする「1品流しからの自動化」を実現させている。
開発に当たった奥野部長は「コンセプトとしては、1990年ごろから抱いていたが、加工現場の人手不足の深刻化とも相まって、取り組み始めたのは5年前。エンドユーザーに納めさせて頂いて3年が経過し、これまでに20セットの納入実績を刻んできた」と説明する。
導入の背景には、変種変量への対応があることは言うまでもない。パッケージ化の一例ともなるが、ワークの品種に応じて、専用ストッカーの段数を考慮するとともに、1段ごとに小分けしていくことで、更なる多品種化への対応も可能となる。
「ストッカーには、ワークのほか、爪、工具、ケレ、チャックまでストックする。専用のストッカーを持たないことがポイントで、SmartTerraceはフレームの大きさの違いで3タイプラインナップしている」。
もうひとつ、自動化を促進していく上で重要なのが、スケールを組み込んだロボットハンドの活用だと言う。
「ワークが変われば寸法も変わる。スケールを内蔵したロボットハンドで計測することによって、良品の生産を促進させていく狙いがある」。
ブースでは「ケレ自動交換」と「CAPTO工具交換」の実演、展示が行われた。
「円筒研削盤のケレを使ったワークのセッティングには必ず、人が関わってきた、自動化が難しいと言われていた分野だが、今回、我々は円筒研削盤メーカーでもジェイテクトさんと共同で、ロボットを活用したケレ自動交換装置の提言を試みた」(桑本営業部長)。
ケレのセッティングはφ10~50ミリまで対応可能で、ブースではスケール機能を組み込んだロボットハンドで実演された。
「ケレの装着装置はこれまでになかっただけに来場者の関心は高く、無人化への期待を伺わせた」との手応えをつかんだようだ。
また、CAPTO工具交換は、旋盤の段取り自動化を展望するもので、ロボットを活用したダブルレンチナットランナーによる回転工具交換、ツール不足にも対応していく。
円筒研削盤のケレの自働交換デモに来場者の関心も高かった