3か年計画がスタートしたイワタツール。要となるのが開発・生産体制の強化
追加発注が積み上がってきた新製品「ドリルミル」

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

ドリルミルによる樹脂加工例(左)切削時の抵抗が低く、熱の発生が抑えられ、曇ることがない。右は超硬エンドミルで加工

新たな期に入り、イワタツールの岩田社長とオンラインで、自社製品についての最新動向について取材を行った。


 イワタツールで今、一番ホットな話題を提供しているのが新製品「ドリルミル」だろう。在庫体制も整い、ヘリカル穴あけ用のエンドミルとして、昨年から、アルミ・樹脂向けがリリースされ、加工効率50%以上というアピールに、熱い視線が注がれている。
 岩田社長は「この間、流通各社からの追加発注も積み上がってきた。オイルホールなしの需要も出てきた」との手応えを踏まえつつ「ドリルミルは現在、弊社にとっても、販売の最注力製品に位置付けている。従来のヘリカル加工に比べ、7倍ものスピードを備えているだけでなく、ヘリカルの特性でもある1本のドリルミルで複数の径の加工に対応できる」とアピールしながら「従来、弊社はエンドミルメーカーではなかったので、受注、販売活動と並行して、生産体制の確立と開発体制の強化を追求してきた。今後の増強については、協力工場の支援を得て、品質はもちろん、納期の点でも体制を整えることができている」と、ドリルミルは製造面でも、新たなトライアルだったことを指摘する。
 ここ数年で売り上げが格段に伸長しているのが高硬度用のトグロンハードドリル。HRC72までの焼き入れ鋼でも抜群の性能を発揮する。
 「日本でも伸びているが、圧勝しているのは、欧州市場だ。ドリルだけで精度穴が確保できるため、ワイヤカットからのリプレースを望む、現場からの需要に呼応する製品と言えようか」。
 欧州市場という括りで付け加えると、時間短縮、生産スピードへの貢献と言う点でGPドリルも人気が高い。
 「日本市場で、伸び率トップの位置にあるのがトグロンマルチチャンファーだ。工作機械の納期の長期化への配慮として、(導入までに)工具でリカバーできないかというニーズに即応する。スピードのほか、コストメリットの点でも評価されている」。
 以上が、岩田社長による主要な自社製品についてのコメントとなる。
 ところでイワタツールでは、今期から三か年計画がスタートした。
 「要となるのが開発・生産体制の強化。そのための人員の拡充や社内テスト加工体制の確立・・・開発面では穴あけの向上が継続する課題で、安定と精度を意識したデータ取りをしっかりと行い、製品化への道筋が見えてくるように努めていく」と語りながら「たとえば、トグロンハードドリルのH7からH6への性能アップを現時点で視野に入れている」と言う。
 販売手法は、これまでの流通各商社と連携しながら進めていくのが基本。
 「個別の営業スタッフの技術サポートについては、オンラインも積極的に活用していく、いわゆるハイブリッド形式を展開していく考え」を採る。
 今後、三か年でイワタツールにどのような進展が図れるか、注目していきたい。

ドリルミルのラインナップ