サカイの取引で顕著になってきたPCD/CBN工具の動き。「実加工ニーズの拡大」を実感する酒井社長。
酒井社長
サカイの酒井基和社長を訪ね、2024年はどのような年となったか、ヒアリングしつつ、2025年を展望してもらった。
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「やはりと言うべきか、今年も在庫量の大切さを痛感した」と言う。
在庫への問い合わせ、確認、相談・・・一般の商社にはない、切削工具専門問屋ならではの「世界」がある。ある場合は工具種であり、また、あるときはサイズだったりするだろう。
「取引の上では、PCD/CBN工具が従来以上に活発に動いてきており、実加工ニーズが増えていることを痛感する。さらに見れば、小径のPCDドリルが無視できなくなってきている」。
11月のJIMTOFでは、工作機械や周辺機器の動向を見て回った。
「小径志向をこの面からも感じ取った。1ミリ以下という、数年前まではニッチだった領域が、今ではスタンダードになりつつあり、切削専門問屋にとっても、提案の仕方が難しくなってきている。課題に挙がってきたのは間違いない」。
では、2025年をどのように展望するか。
「色んな状況にアンテナを張り巡らせつつ、在庫拡充に努めていく。この姿勢はブレない」としながら「切削工具の最大の需要層である自動車産業では、部品点数が減少し、工具の消費では『冬の時代』に突入する。利益を確保するには、シェアアップしかない」と腹を括る。
仕入れメーカーの開拓、直需ディーラーとの関係強化は避けて通れない。