ユーロテクノ小原営業チーム課長に聞く「アリコナ」の可能性

取材に対応いただいた小原課長
精密・微細加工でキーとなる技術を世界レベルで収集し、日本市場に紹介、提案するユーロテクノは、顧客との間では、1ミクロンに拘る意識の共有を謳う。5月号では、主要取扱品目であるブルカー・アリコナ社の非接触三次元測定機に焦点を当て、計測の分野からの提案を紙面化。4月に開催されたインターモールド東京で出展、披露された「G6」「ForcusX」の2機種を念頭に置いてもらいながら、小原課長に特長を紹介してもらった。
「ブルカー・アリコナ社は、2001年創業の、まだまだ若い会社だが、オーストリアに本社を置く、国際的な測定機メーカーとして、今では認知度も高まってきた。後発だけに既存メーカーの特徴を精査して独自性を追求、商品化に至ったが、日本で直接、実機を目の当たりにできたのは2006年のJIMTOFが最初だった」。
従来の測定機は接触式が多い。ワークの小型化、複雑化、精密化が加速するなかで「計れない」事態にも遭遇するようになってきたらしい。
「今回のインターモールドでも『精度が足りない』『プローブが入らない』など、測定で困っている人からの相談を賜ったが、その一方で、(アリコナのような)非接触式で計るときの精度はどうか。情報収集から一歩進んだ質問を請けるようになってきている」。
ブルカー・アリコナ社は測定原理に拘っている。
「同社のすべての測定機に共通するが、焦点移動法(フォーカスバリエーション)と言う手法を採用している。内蔵されたカメラ(センサー)で取得した画像情報(XY平面の2D情報)とZ軸スケールで読み取った位置情報(Z方向の高さ情報)を組み合わせて3Dデータ化でき、ものづくりの3Dモデル化にも通じる」のが特徴で「機械加工で生産されたワークの測定に適しており、なかでも最大87度の傾斜角が計れる、急傾斜の測定を得意とする」「修理を必要とする部品のダメージチェック、修理の必要性を計るツールしての活用も期待できる」そうだ。
アプリケーションとしては、インジェクションのノズル穴、ロボット関連のギアなど、微小なワークへのアプローチが目立ってきた。
「このほか、航空機産業の回復による測定頻度の高まり、工具メーカーでは、測定個所の増大が最近のニーズとして指摘できるだろう」。
出展製品の主要スペックを概観してみよう。
ForcusXは、最小10nmの垂直分解能を誇り、最短3秒の高速測定が可能。XYの走査範囲は、100mm×100mm。コスパの高さをアピールする。
アリコナG6は、ForcusXの上位機種で、最小10nmの垂直分解能はもとより、超高速での測定を可能とし、従来、困難だった超光沢面の測定も可能にしている。
小原課長は「日本市場での販売目標は、アリコナの全シリーズで年間10台に設定。精度や信頼性への御相談はもちろん、省人化、自動化を踏まえた提案にも、留意していければと思う」と締めくくった。
コスパの高さで好評価得るForcusX