創業70周年を経た小林精機がユキワ精工スーパーG1チャックで生産性1割以上アップ
ビビリ抑制で真円度向上

最初のテスト加工ではグリーンG1チャックを使用したと語る畠山課長
ベルト掛け旋盤を1台設備して、盛岡で機械加工業をスタートさせた小林精機。2012年には、業容の拡大に伴い、現在の「盛岡西リサ―チパーク」(滝沢市)に本社工場を移転し、一昨年の2023年には創業70周年を迎え、さらなる歩みを継続、その先に見据えるのは100年企業と言うことになろうか。
現在、産業で捉えれば、医療関連の分析装置と半導体分野の搬送装置部品それぞれで安定的な受注を獲得。ほかに食品機械やFA、空調、車載関連などの部品加工で占めている。
フライス分野を担当する畠山課長は「多品種小ロット生産が基本。1個からの受注と数千個の量産品も手がけているが、1ロット50個から100個がボリュームゾーン。面粗度ばかりか、面品位、いわゆる見た目にも気を配る一方、日々、ミクロン台の公差を目指している」と語る。
ユキワ精工とは、古くからの円テーブルユーザーとして関わっていたと言う。
「ユキワ精工のツーリング担当者の訪問を受けたのは、2015年。テスト加工でグリーンG1チャックをブラザーの小型マシニングセンタに装着したことを思い出す」そうだが、本格的に活用するようになったのは2019年以降。受注内容の高度化とも関係するが、会社として、精度志向の強いツールの活用が、トレンドとなっていった頃からだと言う。
「難削材の加工や小径で深穴加工が多くなってきために、高圧クーラント付きの設備の使用頻度が高まってきた。これに伴い、ツーリングのトライアルを実践していくことになった」と言う。
因みにマシニングセンタで主要な設備となるのがブラザー工業製で、30台以上が現場で活躍する。
テストは複数のメーカーのツーリング間で行われたが「スーパーG1チャックは振れ精度が安定し、ビビリがなく、真円度向上にも寄与した。把持した時の振れ精度の良さが、製品精度に直結したこともあり、切削条件は10%程度上げることができ、この結果、生産性が1割以上向上したことも導入効果と思っている」。
今では、スーパーG1チャックの装着がグリーンG1チャックを凌いでおり、最近では、2023年、ブラザー工業製スピーディオ導入時に、スーパーG1チャックをまとめて10本購入している。
最後にメーカーに何を望むかという点で水を向けると「コレットの共有ができるのもメリットだが、サイズバリエーションレーションをもっと豊富に揃えて頂きたい」との要望が挙がった。
コレットの共有ができるのはメリット、との評価も