タップの世界にも超硬化の波。木須東北エリア長が鋳物加工で「超硬ゼロチップ鋳物用」販売に注力

株式会社田野井製作所

株式会社田野井製作所

タイメタレックスのファクトリーマックスブースで取材に応じてもらった木須東北エリア長

タイメタレックスに足を運び、ファクトリーマックスブースに田野井製作所の優美社長を訪問した。今回、取材対象として、紹介してくれたのが木須東北エリア長。鋳物の加工提案で定評がある人物とも聞いた。

 今年も状況は「回復が難しかった」と語る優美社長。数字で捉えれば、2024年はコロナ禍前の2019年比90%だそうだが、そんな中にあっても、伸長しているのがシームレスタフレットだ。
 「製品品質の向上に伴い、内径の安定加工やコンタミの解消にも一役買うアイテム。なかでもゼロチップ‐シームレスタフレットは、省人化需要が高まるなか、電装系の加工で採用が増えてきた」(優美社長)。社内シェアでも、このアイテムだけで30%に迫る勢いだと言う。
 木須エリア長は「材質で捉えれば、タップの超硬化が、今後、進展してくると思う。ハイスに比べ、寿命や加工速度で優位性があるからで、自動車分野でもウェートの大きい鋳物加工は、量産への対応、安定が求められ、超硬化の流れが定着してきた」と超硬化の流れを指摘しつつ「売れ筋のシームレスも超硬化が進んでいる。テスト加工の要望も多く、その結果が採用へと繋がっている点は無視できない」。
 最後のハイス工具とまで言われてきたタップにも超硬化の波が押し寄せてきた。因みに同社での比率は、ハイス7割、超硬3割。
 「鋳物加工に即せば、超硬ゼロチップ鋳物用の販売に注力していきたい。サイドスルー機構の採用で、切粉残りゼロ。高速加工にも対応可能だ」。