欧州製品も7月から価格改定実施へ
セラティジット ジャパンの第1クォーターは対予算比プラス

5月のハノーバーで開催された木工展
3月から今期がスタートし、第1・四半期が経過した「助走段階」でセラティジットジャパンを訪問した。
馬場社長は「今期は売り上げ目標10億5千万円を掲げてスタートした。3月、4月は対予算比マイナスとなったが、5月で挽回し、トータルでプラス。牽引役となったのが超硬丸棒素材の分野で、大口を中心に堅調な伸びを示している」と語る。
他の商材についてみると、耐摩・木工関連は横ばいで推移し、旧KOMET切削工具はマイナスを記録したと言う。
ところでセラティジットと言えば、CO2削減に積極的な取り組みで知られる。
「CO2の排出量を計算するにあたって、その基準となる方程式を最初に確立したのが当社であり、この点で、従来から共同歩調を採ってきたドイツの工作機械工業会であるVDMAも、その基準を採用している。今後は欧州での工業規格、DIN規格にも採用される見込みだ」。
5月の独・ハノーバーで開催された木工機械展でも、CO2削減を巡るアピールに腐心した。
「環境への配慮と言う点では、CO2削減のみならず、当社が扱う素材の95%は、リサイクル材を活用している。欧米各地からスクラップ材を回収しており、バージンパウダーはほとんど使用していない」と指摘しつつ「かつては再生品=粗悪品のイメージが強かったが、リサイクル技術の向上により、第一次原材料並みの品質を獲得している。『都市鉱山』というスクラップ材のリサイクルシフトは、環境への配慮ばかりか、バージンパウダーが決して安くはないことや生産国が限定的なことと無関係ではない」とも言い添えてくれた。
超硬丸棒の原材料となるタングステン価格は、今期という視点で捉えても、上昇は否定できない。
「6月のCBCERATIZIT製品に続き、欧州製品も7月から価格改訂が計画されている。背景にはタングステンの輸入の難しさがある」。
セラティジットグループ全体の売り上げは2600憶円(連結)。
「超硬の新製品展開やニッチトップの業界を攻めていく中、弊社グループは、毎年、売り上げ8%アップを目標に据えている。目の前の市況は不透明極まりないが、顧客満足度アップに何が必要か。日本法人としても新たに手にした切削工具部門の拡販も意識しながら、コマを進めていければと思う」。