省力化機器に特化するYMK。加工のポイントはプログラミングの速さ。
ユキワ精工の特注スーパーG1チャックでテスト「工具寿命で1・5倍、生産性30%向上」

株式会社YMK

株式会社YMK

取材に対応頂いた佐々木係長

YMKは2011年に創業し、今年4月から15周年を迎えている。
 創業者の横山社長は「東日本大震災時に起業した。女性が社会で活躍できるような、組織づくりを目指し、そのための技術力習得に力を注いでいる」との志向を語る。
 主要事業は省力化機器部品で、顧客は地元にかほ市はじめ、岩手、山形などの東北エリア、東京、新潟、広島など全国にまたがる。主要取引先は十数社。
 1ロット1個、2個が50%を占め、3個レベルが20%という小ロットの世界を標榜する。素材では鉄が半分、あとはアルミとステンレスで2分され、重量では、持ち運び可能な30キロ未満・・・
 「省力化機器の世界は、1億円の装置があるとすれば、3分の1、およそ3千万円が加工部品で占められる。受注に際しては、情報を事前にどれだけ把握できるかどうかが勝負となる」と横山社長が補足してくれた。
 製造に関わる取材では、現場を切り盛りする佐々木係長が応対してくれた。
 「加工上での差別化は、プログラミングを早め、早めで組んでいくことに尽きる。Gコード主体のブラザー、対話式のDMG森、ヤマザキマザックと、メーカーによる機械の特性に合わせた対応で、先手を打つ」。
 ユキワ精工との出会いは2017年。佐々木係長が入社する際に検討された、ヤマザキマザック製VCN530C導入のタイミングに重なり合う。
 「この新規設備に合わせてツーリングを検討するよう、指示され、商社に相談したところ、ユキワ精工の営業の方が同行し、弊社を訪問してくれた」。
 他社製では、ビビリ音の発生や段取りで手間がかかったが、ユキワ製はコレット交換だけで対応できる利便性に加え「主軸からの距離を短くしたいとの弊社からの要望を折り込んだ、BBT仕様のスーパーG1チャックの特注を請けて頂くことになった」。
 テスト結果では、工具寿命で1.5倍ほど長くなったうえ、切削条件を上げることも可能となり、生産性が30%ほど向上。「感覚的に言えば、『サクサク』削れるようになった」。
 その後、2018年にヤマザキマザック製VCN530Cが追加発注され、併せて特注のスーパーG1チャックも。2020年のDMG森精機製DMU50の導入では、スーパーG1チャックアドバンス、さらにブラザー工業製スピーディオの増設でグリーンG1チャックと次々にユキワ精工製ツーリングを導入していく。
 「2017年からの8年間で、ユキワ精工のツーリング総数は160本を数え、今ではコレットチャックの特注にも対応頂いている」。
 ヤマザキマザックは特殊仕様のスーパーG1チャック、DMG森精機はスーパーG1チャックアドバンス、ブラザー工業はグリーンG1チャックといった使い分け。
 「3種類あるが、コレットの使いまわしができるメリットがあり、締め付けでは、使い勝手の良い、クラッチレンチに変わっている」との利便性に触れつつ「先が細くなっているコレットタイプがあれば、活用していきたい」との要望が挙がった。

5軸加工機を駆使する女性スタッフ

女性オペレーターの活躍が目立つ