イスカルジャパン代表岡田氏新春インタビュー

イスカルジャパン株式会社

イスカルジャパン株式会社

岡田代表

新製品発表会からJIMTOFという流れは、イスカルジャパンの2024年の核を成していた。
 岡田代表は「11月開催に向け、4月以降集客に取り組み始めた。規模は1000人。その実現は、顧客の当社に対する信用と、当社営業マンとの間の信頼関係の証と捉えており、励みになった」と振り返りながら「流通各社の集客活動への多大なる協力のお陰もあり、成功裏に開催することができた。改めて感謝申し上げたい。私個人としては、参加者全体の6割をユーザーが占めたことが大変嬉しかった」との感想を寄せる。
 最新工具は「LOGIQUICK」シリーズとして、リリースされたことは記憶に新しいが、今回、発表会で印象的だったのは、製法として積層(3D)技術がポイントに挙げられたことだろうか。
 「積層技術の採用は、最新の加工トレンドから、メーカーが必然的に採用すべき製造手法。たとえば、クーラント供給の最適化は、数ある最新の加工トレンドの中でも重要項目のひとつであるが、最適なクーラント経路設計の製品化には、従来の製造手法では限界があり、積層技術でなければ顧客ニーズは満たせない」。
 このほか、工具の軽量化という視点でも、積層技術は有用であると、岡田代表は付け加える。
 JIMTOFには、毎回、多くの本社メンバーが足を運ぶ。
 「今回も、研究・開発(R&D)、マーケティング、製造・・・といった各分野のマネージャーが来日し、日本の工作機械や製造設備メーカーの最新情報を収集し、担当レベルで商談を行った。ハイレベルな工具づくりには、高精度な機械や設備を駆使していく必要があり、この点で、日本の設備メーカーは、当社にとって不可欠なパートナーという位置づけだ」。
 では、出展するジャパンから見たJIMTOFの位置づけはどうだったか。
 「JIMTOFは、日々の活動の中の大きな集約点であり、欧米の展示会と比較しても来場者数は世界トップ。
 国内加工ユーザーから直接ニーズヒアリングができる貴重な機会であり、当社は営業スタッフ全員に最新タブレットを配布し、展示会後即時に顧客対応に移せるようにした」。
 2025年の幕が上がり、新たな課題をどのように設定するのか。
 「需要の伸び悩みが影響して、切削工具の『価格競争』が激しくなってきている。顧客もメーカーも、価格による競争で得るものは少ない。価値の創造により顧客評価を勝ち取るマーケットにすることが肝要。それができる当社は、先ず国内でのシェアを高めないといけない。国内マーケットシェア10%の目標は固持し、早期に達成する」。
 社内目標として、岡田代表は、2019年の就任以来、掲げてきた売り上げ数字がある。
 「自ら掲げた売上目標には、近づいてきたものの、現時点では未達。有言実行が果たされていない責任を感じている。就任時に宣言したことを必ず達成することが、顧客への貢献に繋がる」。