「再研・再コートの分野は安定し、航空機・タービン加工用工具のも堅調」(寺原プロダクトマネージャー)花というエリコンジャパン・バルザース事業本部。
新膜ではドリル向けで注目される「BALINITⓇ OPTURA」

エリコンジャパン株式会社

エリコンジャパン株式会社

寺原プロダクトマネージャー

エリコンジャパンバルザース事業本部の寺原プロダクトマネージャ―を訪ね、受託コーティング事業を中心にニーズの動向を追いつつ、この間、リリースされた新たな膜について取材を行った。


 年始の賀詞交歓会や挨拶回りも終え、2026年が2月から本格的に始動している。
 「2025年は、切削工具、金型関連合わせた全体で2024年比2%のプラスと、ほぼ横ばいの実績」と振り返りつつ、内訳では「受託コーティング部門が同様に2%上昇を記録するなか、切削工具関係は、再研・再コートの分野が安定しており、トレンドとして再研の内製化が進んでいるものの、コーティングは受託できるメリットを享受している。また、航空機向け工具、特にタービン加工用のコーティングが堅調なほか、錠剤のマーキング用パンチへのコーティングの伸びが大きかった」と指摘し「金型部品の分野は、顧客が海外で使用する海外向けが良かった」と補足する。
 コーティングの「進化」と言う点で捉えると、PVDコーティング分野で2010年にリリースされた「BALINIT® ALCRONA PRO」が、2024年に「BALINIT® ALCRONA EVO」としてバージョンアップされた。
 「膜を2層にすることで、たとえば、自動車部品(合金鋼)への適用では耐久性で20%アップが図られ、工具寿命では多様なアプリケーションを通じ、およそ30%以上の伸びを達成。特に二輪車用ギアのホブ加工ではBALINIT® ALCRONA PROに比べて56%もの大幅な工具寿命を実現しているほか、熱伝導率が低いため、ハイス工具のクレータ摩耗の低減にも寄与することも付け加えたい。現在、PROからEVOへの切り替えを進めているところで、今年末までにEVOへ移行させていければと計画している」。
 目線を変えれば、2025年は、スチールや鋳鉄に向けた穴あけ工具、すなわちドリル向けに新膜「BALINIT® OPTURA」がリリースされた年として記憶されて良いかと思う。
 「受託コーティングの目玉として、BALINIT® OPTURAの市場浸透を昨年から進めてきた。窒化チタンアルミベースのコーティングで、高い耐摩耗性と耐熱性を備える。刃先の耐久性が上げられることで、深穴加工でも信頼性と工具の長寿命化に貢献していく点を強調したい」。
 2026年も積極的にパブリックの展示会に出展する。
 当面の展示会としては、メドテック(4月21日~23日・東京ビッグサイト)、人とくるまのテクノロジー(5月27日~29日・パシフィコ横浜)をはじめ、10月には生産財業界最大のJIMTOF(10月26日~31日)、そして12月のセミコンで2026年を締める計画だ。
 工具や各種部品の性能は、コーティングを抜きには評価できない。バルザース事業の展開を今後も注視したい。