オーエスジーの新プロジェクト、OSG4.0始動。今期設備投資は220億円規模に。
新プロジェクトについて説明する石川社長
- オーエスジーは、このほど「(創業)80周年を終え、信頼を未来へつなぐ」として、NEO新城工場構想をはじめ、ものづくり情報を一元化する「OPDM」、無人稼働の追求や大ロット、小ロット対応の両立‐等から構成される新プロジェクトを公表、石川社長自ら、報道関係者を前にその概要を説明した。
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- 冒頭、石川社長は「2018年度は、供給面でお客様にご迷惑をおかけした」と振り返り、続いて「OSG4・0」というプロジェクトを宣言。「器としての新工場」「自動化→省人化」「無人稼働の設備」「デジタルですべてを繋ぐ」の4点について言及した。
- 問題意識のベースは「OSGがOSGであり続けるために」。
- その方向性には①グローバル成長を求める②他社と違うところに価値を求める③トップから最前線に至るまで一貫した社風を目指す‐がある。
- EV化時代を乗り切るために国内生産体制を刷新する、当面の具体化として「NEO新城工場構想」が挙がった。
- 「今年11月の完成を目指し、このほど着工した。現新城工場敷地内に建設し、延べ床面積で4万8千5百㎡。最も成長している超硬ドリルを大池工場から移管し一貫生産を敷いていくほか、八名工場からは超硬タップを移動させ、他に現行のハイスのドリル、エンドミルの生産を手がけていく」。
- 特殊対応品(小ロット)と量産品(大ロット)の混流生産体制の構築を目指ざすと言う。
- 「何としても両立を成し遂げ、大ロット、小ロットを問わず、QCDを満足させていきたい。特に特殊対応品では、自動で最適な生産計画をつくり、スケジューリングしていき、数カ月先まで見通せるようにし、タブレットを通じて誰もが把握できるようにしていく。大ロットだけで日本企業は生き残れないと考えるからだ」。
- 今年度は220億円規模の設備投資を行い、NEO新城工場のほか、台湾、メキシコの新棟建設にも着手していく。併せて、スマートファクトリー化を推進し、国内のマザー工場をはじめ、中国、アメリカ、メキシコ、台湾ほか、超硬合金工場、コーティング工場等、関連する工場も、その対象にしていき、3年、4年かけて全世界でおよそ500億円にのぼる投資を計画している。最も肝心な点は「求められる納期に対応できているか」。気になるメインのタップも、今後国内の生産本数を引き上げていく計画だ。
- デジタル化時代を見据え、2年前から進めてきた「OPDM」(OSG Product Data Management)は、すべてのものがインターネットで繋がる第4次産業革命への対応であり「営業、設計、製造の各部門が一体となって顧客とものづくりの情報を共有し、受注力の強化、利益の最大化を目指す」。
- 無人稼働については「2024年度には72時間無人運転(金曜日の午後から月曜日の午前まで)比率60%以上、稼働率85%以上、原価率10%の低減をビジョンとして掲げたい」と言う。
NEO新城工場外観
NEO新城工場俯瞰